最終更新時刻:2008年9月5日(金) 17時07分

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「セカンドライフナイト in BarTube」で考えたRMTの現実

公開日時:
2007/06/02 15:50
著者:
BigBang

Bar_k

5月31日に、渋谷のBarTubeで開催された「セカンドライフナイト」を、私も覗きに行っていたわけだが、その時の模様は、当日の講師でもあり、CNETの読者ブロガーでもあるAberantCorpses Yueさんの「ネットでポン セカンドライフナイト in BarTube 「ボイスチャットなど」に詳しいので、興味のある方はそちらを参照していただければと思う。実に楽しいイベントだった。

で、ここでは、当日のイベントで感じたことを、ちょっと違った観点から書いてみることにする。

当日はネット界での八面六臂の大活躍、BlogTVなどの活動でもおなじみの神田敏晶さんがお見えになっていて、相変わらず人をそらさない、つかみOKまくりのトークで、会場を湧かせてくれた。(神田さんのセッションが始まった時は既に夜も更けており、相当お酒も入っていたようで、トークも相当ドライブがかかっていたのだが)

その中で神田さんが語っていたのが、SecondLife内での「贅沢」のススメ。

彼はすでに43万L$(リンデンドル)だか持っているそうで、(これには「へー」だか「ほー」だか、よくわからない感嘆の声が会場からあがっていたが)、そのL$でいかにSL内で贅沢ができるかというようなことを話してくれた。一概には言えないが、SLのメタバースの中の貨幣価値は体感として、Real Lifeのおよそ100分の1-200分の1くらいであろうか。(例を上げれば、Realでは50,000円程度はすると思われる家具やワンピースが、SL内ではせいぜい500L$=250-300円程度であるという具合)

当然それにリンクして、土地の賃貸料金や価格などもおおよそそれに近い基準となる。神田さんは、SL内のマンハッタン島の一番いいところに「豪華な」部屋を持っているそうで、(これは冗談めかしてであるが)40万L$以上もあれば、現実世界でお金を使うよりも、遙かに「いい暮らし」でリッチな気分を味わうことができる、500L$ずつも配ればみんな手下になっちゃうぞー、アバターがぞろぞろついてくるぞー(笑)などと煽っていた。

すっかりアルコールの回っていた神田さんが、余りに熱心に繰り返すので、隣の参加者と冗談で、「イベントの帰りには全員、BarTubeの出口で、有金全部LS$に強制的に交換させるんじゃないか」などと笑っていた。

しかし実は、この話は相当いろいろ考えさせられる深い話である。

東京で暮らしている場合、40万L$など持っていても、できることは限られる。(これはおよそ20万円弱くらいに相当する。)六本木などで少し広い部屋を借りれば、これは1ケ月の家賃にも満たないであろう。そんな現実世界で空しい金の使い方をするくらいなら、メタバースで使えよという、神田さん独特のアジテーションなのであるが、「何言ってんの。仮想世界は仮想世界、所詮は代償行為、ウソッコでしょ」という向きもあろう。

しかし、現実貨幣$との兌換を許容しているL$の場合、事情はもう少し複雑である。

つまり、欧米や日本よりも、現実の経済の相場基準が著しく低く、生活コストが安い国からのユーザーの場合、笑ってばかりもいられない状況が出てくる。すなわち、我々にとっては、Second Life上の貨幣価値が仮に現在100分の1であっても、それらの諸国にとっては、50分の1だったり、20分の1かもしれない。この差は、今後メタバースの発展によっては、微妙なことになってくるかもしれないことは、想像に難くないのであって、モデルとして、たとえば今後、現実世界の10分の1程度の相場を持つ、経済圏にまでメタバースが成長してきた時のことを想像すれば、これらの非先進国のユーザーは、自国の現実世界で経済活動をするよりも、メタバースでビジネスをしたほうが、利益を生むということになってくるかもしれない。

顧客層の厚みという要素も変数に入るが、商圏人口が、リアル自国の数百倍もあるような経済圏が、その時メタバースの中に出来上がっていれば、リアルの経済との1:10くらいの相場観の違いくらいは、逆転するビジネスを展開できる可能性が出てくる。薄利であるが、数で稼ぐ100円ショップのような店舗モデルは容易に想像できる。つまり顧客が10倍いるなら、そのほうが良いという判断である。(アフリカの奥地やアマゾンに本店を持つ世界最大規模の100L$ショップとか!)先進国のユーザーが小遣い稼ぎで行うその同じ相場で、経済発展の途上にある国においては、その収入をドルに兌換することで、十分以上に生活が成り立つかもしれない。

ネット社会が生むこうした「格差の破壊」=経済のフラット化は、何もことさらに新しいことではなく、Amazonのアフィリエイトでも、グーグルのサービスの与える恩恵の経済的効果のグローバル性だとか、さまざまな形で既に指摘されていることである。

ただ、それが単なる貨幣価値や経済格差の「差益」として語られるのではなく、そして、その経済的リンクの場が、味気ない為替の抽象的なシステムではなく、実態としての仮想現実として、「ニューヨークの高級マンション」のような比喩で、メタバースを通じて色も形も含めて、明確に実感できるようになってきたということだろう。

もちろん、メタバースに注ぎ込まれたマネーは、必ず現実世界に還流してくるはずであるという前提に立てば(いや、実際は必ずしも還流されてこないものもあるかもしれないのだが、それは置く)、その入口と出口2ケ所で、国家の強力な干渉が始まることは想像に難くない。実際米国ではその動きが始まっている。確かにマネーロンダリングやアングラマネー、TAXの観点からも、RMT(リアルマネートレーディング)のもたらす変革は、野放しにすれば、重大で深刻な影響をもたらす可能性もあるが、そうした干渉にも関わらず一方で、こうしたバーチャル社会を介在して、グローバルな経済格差、生活格差は、徐々に浸食され、破壊されていくかもしれないのである。

その時、我々の現実世界はどうなるのだろうか。微動だにしないのか、発展を遂げるのか、それとも致命的な混乱を受けるのか。それは誰にもわからない。否、経済だけの話ではないのであって、人間の生き方にも関わってくるだろう。
しかし、どうあっても、もはやメタバースにおける経済の影響を意識しないことには、どんな経済指標をも予測できない、そんな時代は近くまできている気がする。

僅かな時間の間に、我々は予想もしていなかった世界に、高速で連れていかれようとしているのではないだろうか。

そこが本当に楽しい場所だといいのだが。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

2

どうも。いま日本人SLでは寄ると触ると、いろんなことを相談している。あっちでもこっちでも。みんな何かやろうとして、組織作りとか、イベントとか、自治会(笑)とか。それからものづくりの相談。さすがジャパニーズ。

日本人はどこに行っても日本人です。ただあてもなく享楽的に歩き回ってアダルトばっかりやっている(ように見える)国民もいる(ようにみえる)
見ていると日本人は本当に真面目です。きっとこの先順調に発達していけば、SL内でも日本人コミュニティは整然と発達していくでしょう。

恋愛やアダルト(?)は得意な民族であるとは思えないですね。国境や仮想現実を超えた恋愛もあるかもしれないけれど、そこに日本人がいる可能性はやはり少ないと思う。

  BigBang on 2007/06/21

1

日本人男とドイツ女がSL恋愛している様子のブログがあって、とても充実しているようだ。第三者から冷静にみていると、ドイツ女が日本人男に贅沢させてもらっているようにも見える。もしかしたら、東ドイツの女性かもしれない…

世界ほど、ま、日本の中でもだけど、仮想現実の中で格差をダイレクトに感じず、少しだけでも裕福を感じたり、換金できてリアルでも助かるようになるのなら、これも、正しい経済活動のうちになるとおもう。

それと、現実の格差を感じている底にいる人にとっては、なんでもいいのだ。逆に上にいる人にとっては、不確かさがある以上、信用におけないというのもわかる。結局、「自治」をつくれるかが鍵なんだろう。

あらまの考えるSLとは、映画の先にある新しい芸術空間だということ。映画でゆるされている表現はすべて許される。SLの参加者は、役者であって、なかにはスターになるものもいれば、エキストラのままの人もいる。たぶん、SLをテーマにしたCG映画がでれば、本格的に世界に認知された空間になるのだろうね。

それと、まず最初に、TVのCMにSLを素材にして使って、見た人がSLに入って、商品の3D感を確かめられたり、疑似体験できるようになれば…。で、エキストラ役

  あらま on 2007/06/21

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