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Photoshop無償Webアプリ化がもたらす衝撃の焦点はどこだろう

2007/03/02 00:27
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殿岡良美

幻の博覧会「世界都市博覧会」で、インターネットを応用した公共イベント企画をプロデュースしたことが、ネットでの活動の出発点でした。しかし結果はご存知の通り。あるいはその未完の記憶が満ち足りない思いを私に残してしまったのか、ネットという愛すべきも、摩訶不思議で捉えようのないものに惹かれ続けてきました。リアルとネットが激しい火花を上げている今日。CNETでは、あらゆる前提や先入観にとらわれない視点から、BigBang的なIT論を展開したいと考えています。
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Adobeが発表した大ニュースが、今日はネット界を揺るがしている。

アドビ、「Photoshop」をウェブアプリ化へ--無償版として提供予定(CNET Japan)

Webで無償で提供されるバージョンは、他製品への入門編とされ、おそらく機能的には10万円以上するPhotoshopの現製品には及ばないだろうが、このニュースの衝撃は、無償化よりも、次の2点にあると思う。

(1)Windows/Mac両プラットホームのキラーアプリのWebアプリケーションへの「流出」

実際にGoogleが主要アプリケーションに匹敵するソフトウェアをWebアプリ化しようとしていることは既成の事実であり、Web上で動く無償のワープロや表計算ソフトが既にリリースされている。しかし、今回のPhotoshopのWebアプリケーションは、従来のWin/Mac両OS上で動く横綱級のアプリケーションの「Webアプリへの流出」であり、ニュースの衝撃が違う。しかもメーカーは「旧来」のアプリケーション開発の王者の一角、Adobeである。

今後、Adobeを追えとばかりに、次々とキラーアプリケーションがWebアプリケーション化されるような事態に発展すれば、OSメーカーも土台骨を揺るがされる事態にまで発展しかねない。

(2)Webアプリケーションの広告モデル化

ネットワーク環境での「標準作業環境」を目指すポータルが、その誘引環境のために、さまざまなガジェット状のアプリケーションやサービスを用意するのは、Googleを筆頭によく知られたことであるが、誰でも知っているように、Adobeはこうしたタイプの会社ではない。ポータルから出発して、そのサービスを充実させてきた系譜とは全く逆であり、市場で圧倒的力を持つキラーアプリケーションをWebに「放出」することにより、その誘引力で「広告サイト」が出来上がってしまうことになる。

元来10万円ほどの価格で提供されているPhotoshopが仮に1000本売れれば、1億円の売上になる。これに対して、無償に引かれて、その100倍の数、10万人のデザイナーが(あくまでも仮にの話だ)年間たった150回Photoshopサイトにアクセスすることになれば、年間1500万ビューとなる。(いや実際には無償なのだからユーザー数の拡大と使用頻度はもっと高いかもしれない)1ビューに対して7円程度の広告費が発生しさえすれば、前記のモデルを売上では上回ることになる。もちろん広告ではソフトウェアの販売収益よりは、利益率が低いことが考えられるが、それにしても1ビューで得られる収益を7円以上にすることは、アフィリエイトなどを含めた、様々なタイプの広告表示を組み合わせればそう困難ではないだろう。
また、Photoshopユーザーという、非常に明確なターゲット属性があるので、広告サイトとして訴求対象への的確性、有効性は期待できるだろうと思われる。

今回はPhotoshopが話題になっているのだが、(1)(2)共に、多くのキラーアプリケーションにそのまま成立するモデルであることは想像に難くない。無料でPhotoshopが使えると思って、勢い込んでサイトにアクセスしたのはいいが、貧弱な機能が、しかも重くて使えないなどという悲劇に見舞われなければ、の話ではあるが、仮にそうした事態が過渡的にあったとしても、今回のニュースの波及的な効果を考えれば、やはり特大のニュースであることには間違いはないだろう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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