最終更新時刻:2009年11月27日(金) 17時14分
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さらばビル・ゲイツ、さらば Windows

公開日時:
2008/06/29 11:14
著者:
earlybird

30 年以上もの長きにわたって、最も有為転変激しいIT 業界を席捲・支配し続けてきた男が第一線を退き、巨万の富を携えて、新たなキャリアパス(慈善事業)を歩き始める。

筆者とマイクロソフト社との付き合いは長いようだが、実はそれほど濃いものではなかったし、今後もなるべく依存することのないように距離をおいてお付き合いしていきたいと考えているので特別な感慨はないが、自分自身の乏しい Windows 経験を振り返りつつ、極私的なコメントをエントリーしてみたい。

思い返せば、筆者がパソコンを使い始めたのは70年代末のことだが、80年代半ばに使ったマッキントッシュ512Kの表計算ソフト「マイクロソフトエクセル」がマイクロソフト社製だったのを除けば、90年代半ばまでマイクロソフト社とはほとんど関係ないパソコンの世界の住人だった。

本格的にマイクロソフト社と付き合うようになったのは90年代半ばにマックのLC630で始めたインターネットで閲覧したテキストデータを HP 社の PDA「HP200LX」に転送して持ち歩き、空いた時間を利用して読むようになってからだ。
この HP200LX が搭載していたのが、マイクロソフト社の MS-DOS だった。
筆者にとって幸いだったのは HP 社は秀逸なインターフェースのアプリケーションソフト(シェルプログラム)を HP200LX に実装しており、メニュー選択のみで一通りのファイル操作が可能だったので、筆者がもっとも忌み嫌っていたコマンドライン入力はほとんど必要なかったことである。
今にして思い返すと、MS-DOS はマイクロソフト社の作ったOS のなかでは最も完成度が高い製品ではなかったろうかと思う。5年以上もかけて開発したWindows Vista の悲惨な失敗が明らかになりつつある今日この頃では特にその感が強い。

さらに進んで本格的にWindows OSと付き合わざる得なくなったのは、勤めていた会社が発売したデジカメ(たった35万画素のものが7〜8万円もした時代だ)に付属してリリースした画像データ転送ソフトが、Windowsアプリだったからだ。
このソフトが外注ソフトハウスに丸投げして急ごしらえで作ったものだったらしく、最低最悪のシロモノで、クレームの嵐もいいところ。筆者はその対策要員として駆り出され、その後しばらくはお客様の怒りと悩みに相槌を打つしかない毎日を過ごすことになる。
折悪しく、会社のパソコンも勝ち馬OSになったWindowsに切り替えられ、とうとう「Windowsの魔手」から逃れられなくなってしまった。

90年代後半のある年の人間ドックで胃カメラを飲まされたが、十二指腸潰瘍が治癒した痕跡がある?!・・・との診断が下され、再度胃カメラを飲まされてしまった。原因は今もって特定できていないが、筆者はいやいやWindowsと付き合わなければいけないことによる「テクノストレス」が原因だったのではないかと今でも思っている。それ以外ほかに原因が思い浮かばないからだ。

現在使っている仕事用のサブノートパソコンのOS は Windows XP だが、多分今後はもうWindows PC を使うことはないだろうという予感がしている。
その意味では、個人的には「Windows Vistaパッシング」をさらに通り越して、「Windowsナッシング」への道をたどりつつあるのだが、ビル・ゲイツのこれまでの輝かしい功績を否定するつもりは全くない。
何故なら、マイクロソフト社が OS を独占してくれたおかげで、結果的に複雑なパソコン操作が標準化され、凡百のパソコンメーカーがそれぞれちょっとづつ違う仕様の異なるOSを採用し、メーカーや機種の違いで操作方法まで違うというような、現在の携帯電話のような愚行を犯さずにすんでいるからである。
これがなかったら、パソコンが今ほど普及することはなく、IT業界もこれほど発展することはなかったであろう。

ともあれ、ビル・ゲイツは「人々がどんなOSやソフトを使おうが、大したことではない」世界に身を移し、残りの人生をまっとうすることになるわけだが、それは彼自身の人生にとっても、我々の人生にとっても幸福なことに違いない。
何故なら、世界にはOSやソフトやパソコンよりももっと大切なことや、解決すべき問題が山積しているからである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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