最終更新時刻:2009年11月27日(金) 18時18分
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PLAYSTATION 3 はソニーの救世主となりうるか?

公開日時:
2006/11/12 16:35
著者:
earlybird

■荒天下でのさびしい船出?

?昨日(2006年11月11日)、PLAYSTATION 3(以下「PS3」)が日本国内向けに発売された。?部品の調達不足により、限定10万台というさびしい船出となったが、熱狂的なゲームオタクたちはこの日の来るのを指折り数えて待っていたことであろう。
久しぶりに秋葉原には前夜から徹夜の行列組が出現したり、テレビのワイドショーネタになるなど、それなりの盛り上がりをみせているようだ。?発売当日、PS3 の生みの親である久多良木健も有楽町のビックカメラで行われた発売イベントに顔を見せていたが、初代PSから12年の歳月を経て、はるばるとここまで到達した胸中に去来したものは何だったろうか。?久多良木がどんな感慨を抱いたか(あるいは何も抱かなかった)は別として、PS3 がこの日の天気のような荒天続きのソニーにとっては会社の命運を左右する戦略商品であることに変わりはない。?世界のエレクトロニクス史上、これほどハイスペックのハードウェアが、これほど安価な価格設定で売られることはこれまでになかったし、今後もないかもしれない。

筆者はゲーマーというゲーム大好き人間たちにある種の偏見と嫌悪感を抱いており、自分の孫にはゲーム機を買い与えたくないと考えているが、彼らのような「金づる」がなければ決してこんなことは起こりえなかったことであろう。そういう意味ですべてのゲーマーたちに幸あれといいたい心境である。??

?■ソニーの異端児の苦闘と見果てぬ夢は続く?

?ところが、このPS3 がソニーの救世主となりうるかというと、必ずしもその保証はない。?ソニーの中に久多良木の遠大な理想を具現化できるほどの見識と技術力、それにも増して久多良木の横暴さに耐えうる忍耐力と広い度量を持った人物など、全く思い浮かばないからである。それに、もしもそんな人物がいたならば、ソニーはいまほど悲惨な状況に陥らずにすんだはずだ。?しかしその一方で、PS3 はデジタル家電景気一巡後、閉塞状況に陥るであろう日本のエレクトロニクス業界全体の起爆剤にはなりうるような予感がする。それほどこのマシンのキャパシティとポテンシャルは他を圧倒している。??初代PS からPS3 が誕生するまでのストーリーだけでも、優に数冊の本が書けるだけの波乱万丈の日々が繰り広げられてきたに違いない。それは久多良木健という、傲慢でプライドが高く、クセがあり、ワンマンで傍若無人な、決して上司になってほしくないし、それ以上に部下にもしたくない、ましてやお友達になるなど絶対にご免こうむりたい人物に、その前途を委ねざるをえないほど追い詰められた会社の凋落の物語かもしれないし、あるいはまた、肥大化し機能不全に陥った、かつてのエクセレントカンパニーに巣食う無能な社内官僚のような人種たちに足を引っ張られながらも、ついにこの日を迎えた孤独な異端児の物語になるのかもしれない。?
?初代PS が発売されたのが1994年12月、2代目のPS2 は2000年3月だったので、PS3 は約6年半ぶりのモデルチェンジである。コンスーマーエレクトロニクス業界にあっては、画期的な商品をリリースしたあとは、技術を出し惜しみするかのようなチマチマとしたモデルチェンジを半年?1年おきに行うというパターンが多い中にあって、PS のライフサイクルの長さは特筆に価する。それは卓越した技術力だけでなく、優れた設計思想や技術に対する先見力や創造力、そしてよほどの自信がなければ実現できるものではない。PS の歴史は優れたビジョナリー(先見力のある夢想家)と卓説したアーキテクチャ(ハードウェアとソフトウェアの基本設計概念)の歴史でもあり、日本のエレクトロニクス技術がひとつの頂点に到達した歴史でもあるといえよう。??

?■最後に個人的な感慨をひとつ?

?初代PSが世に出る少し前、筆者は当時絶頂期を迎えていたシリコングラフィックス社(以下「SGI」)が日本で開催したプライベートな展示会(といっても巨大な会場…新横浜の横浜アリーナだったような気がするが…を使って大々的に行われた)に足を運んだことがある。そこで当時最新鋭のグラフィックス・ワークステーション(ONYX ?)が巨大画面に戦闘機のシミュレーション画面をデモしているのを目にして、その圧倒的な迫力と描写力に驚嘆したのをなつかしく思い出す。いまやあの性能をも凌駕するようなハードウェアが当時とは比べ物にならない価格とソフトウェア環境で世に出た。筆者は潤沢に出回るようになったら購入し、ゲーム機としてではなく、ハイビジョン対応のリナックスマシンとして使いこなせるかチャレンジしてみたい誘惑に駆られている。
??余談だが、ジオメトリ・エンジンというキーテクノロジーを引っさげて、スタンフォード大学の準教授だったジム・クラークがの5人の大学院生とSGIを創設したのが1982年、それから12年後に初代PS が世に出たわけである。その翌々年にジム・クラークはSGIを去り、マーク・アンドリーセンと組んでネットスケープ社を興し、インターネット革命を演出する。SGIはその後変遷を経て経営が悪化、今年の5月に連邦破産法第11章(チャプター11)を申請、その半年後の10月に再建が完了し、連邦破産法の適用から脱却したが、かつての輝きはない。?

?■終わりに

?かつてソニーの役員を久多良木とともに勤めたことのある人物に「劇薬」と言わしめ、今はリタイアした前CEOの出井とも全くソリが合わなかったであろう優秀だがクセのあるひとりの男の双肩に、ソニーの未来が委ねられた形になってしまった。その男にとってもソニーにとっても、残された時間はそれほど多くはなさそうである。
??最後に繰り返しいっておきたい。?PS3 がソニーの救世主となりうるかというと、必ずしもその保証はない。?しかし、日本のエレクトロニクス業界全体の起爆剤にはなりうる予感がする。?

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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このエントリーへのコメント

9

大手家電店でのPS3 の行列も実は中国人バイヤーだったとのオチ・・・1500台のうち1200台は中国人の手に渡り転売されている・・・・PS3のCPUも現行のものはPS2仕様バージョン。本ちゃん仕様は来年以降に出る。10万台は中国人に売れ?笑)日本人は全く慌てて買う必要性なし。

  DORGER on 2006/12/11

8

>PowerYOGA氏
PS3にOS Xの移植はありえません。anyさんとめめさんが書かれている理由のほかに、現実的な壁があります。それは、PS3がOS Xを動かすにはあまりにも非力という事実です。
CellのコアのうちPowerPC互換のPPEは、
シンプルな構造が災いし、3.2GHzの速度を持つにも関わらず性能はPentium 4の1/5以下しかないそうです(情報源はリンク先)。
PS3の能力は、7つのSPEをいかに使いこなすかにかかっています。しかし、SPEはゲーム機はともかく、PC向けのOSには不向きな存在です。
OS Xを移植するなら、Xbox360のほうが実用的な性能になることでしょう。

  野尻 on 2006/11/20

7

PS自体Linuxベースの開発環境だし、すでにPS3向けLinuxはTerra Softが発表しているし、OS-XもUnixベースだし、可能性はないとはいえないが、Appleが今更ライセンスしないだろうしライセンスするほどの価値もない。というか、すでにOSなんてなんでもいいんだってば。

  めめ on 2006/11/13

6

>PowerYOGA氏
SonyとAppleは音楽配信においてライバル関係であり、Sonyは事ある毎にIpodキラーなる商品を出しています(PSPもそうでした)。なので、SonyがAppleと組むのはかなり難しいと思います。PS3の為にLismoを捨てるという選択肢は取れないでしょうから。

Wiiがファミリー向けという特性もあり、既にディズニーがWii向けのスタジオを作成しました。ディズニーとAppleのCEOはスティーブ・ジョブズであり、Appleとディズニーは連携を取りやすい立場にあります。更にAppleと任天堂は競合関係に無い為、ソニーと組むよりかは、Apple=ディズニー=任天堂という連合が現れる可能性は結構高いのではないかと思います。

  any on 2006/11/13

5

PS3にOS-Xを載せる? 妄想は辞めましょう。
現実を見よう! 現実を!

  スチーム ジョブレス on 2006/11/13

4

文章にちょくちょくでてくるはてなマークはなんなんですか?

  ゆきち on 2006/11/13

3

私はPS3の成否は、AppleにMac OS Xを移植してもらえるかどうかにかかっていると見ています。
なにしろ、PS3向けのゴージャスなゲームの開発には、それなりの予算と期間が必要でしょうから、タイトル数でも、ライトユーザー志向の任天堂に大差をつけられることでしょう。
BlueRayにしても、PS2のときのDVDほどの求心力はないと思います。
よって久多良木が言うように「脱ゲーム機」の方向性を模索せざるを得ないでしょう。ただし、Windowsの移植は望めず、Linuxでは厳しいので、有望な選択肢はMac OS Xのみ。果たしてAppleの協力を得られるかどうか...。

  PowerYOGA on 2006/11/13

2

株価を見れば判ります。如何に注目されていないか。午前はマイナス40円でした。
はっきり言って、PS3にもソニーにも未来はありません。

  株 下蔵 on 2006/11/13

1

資本投下と外注率が問題の根源。そして、SCE久多良木社長の資質以上に、ソニー全体の経営を引っ張れる人材不在によるものである。PS3は任天堂、MSと異なり、ソフトの外注率が高く、だからこそスタートダッシュでマーケットシェアを奪って魅力あるゲーム機器にしないと、ネガティブスパイラルになる。それ以上に、投資バランスが現実的ではない数字である。

  yassylucky on 2006/11/13

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