最終更新時刻:2009年11月7日(土) 10時00分
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内部統制:戸惑いと解決法

公開日時:
2006/10/27 13:51
著者:
Superbb

内部統制
戸惑いと解決の糸口


企業経営者の方々、内部統制システム構築を任された主管部門の
方々は、次のような点
に戸惑いを感じているのでは。

戸惑い1:
「これまで業績を上げるために色々な手を打って来た。それらの努力
と関係なく、財務諸表
の信頼性確保だけを議論している人がいるが、
会社の経営全体を考えると、何かしっくりこ
ない。」

戸惑い2:
「『内部統制の中でIT統制が大事』とは言うけれど、これまでコン
ピュータシステムに大変な
投資をして来た。その中に情報セキュ
リティの仕組みや教育にも金をかけて来た。何が足り
ないという
のか?特にIT製品のメーカーは結論を自社製品の導入に結びつ
けたがっている。

すでにERPやグループウェア、ワークフローは導入しているので、
2重投資はしたくない。」

戸惑い2:
「『資産の保全も重要なポイント』と、内部統制に関するほとんどの
本に書いてあるけれど、
セミナーや広告はIT統制や情報セキュリ
ティに偏っているものが多い。」

戸惑い3:
「財務諸表の信頼性を確保するためだけに、過大な投資をすると、
それこそ株主の利益に
反することになる。」

戸惑い4:
「『資産の保全』に関しては、様々な設備に損害保険をかけてい
るし、労働安全衛生や
環境対策についてもできる限りのことをやっ
ている。
今の内部統制の議論と、どう関連
づければ良いのか?」

戸惑い5:
「これまで内部監査に、できるだけのコストをかけてきた。優秀な
人材も配置して来た。

内部統制を強化するためには、さらにどれだけのコストをかけな
ければいけないのか?」

戸惑い6:
「『内部統制とエンタープライズリスクマネジメントは表裏一体』と、
高名な先生がおっしゃるが、具体的に
社内にどのように適用すれ
ば良いのだろう?」

戸惑い7:
「他社の事例が公表されつつあるけれど、ほとんどは業務プロセ
スを文書化したところ

まで。内部監査やエンタープライズリスクマネジメントも含めて実際
の運用はどうするの
だろう?」

これらの戸惑い、課題を整理し、解決するには、次のポイントが重
要でしょう。

1.会社の中の様々な業務や責任の中で、どれを内部統制の
  対象とするか。

  内部統制の目的は、

A. 業務の有効性及び効率性

B. 財務報告の信頼性

C. 事業活動に関わる法令等の遵守

D. 資産の保全

と、4つある。

財務報告の信頼性確保だけでは不充分という事が明示され
ています。

例:日本版SOX法でいう内部統制は財務諸表の信頼性だけ
  にフォーカスしている
けれど、会社法は資産の保全、事業
  継続や経営基盤そのものについての内部
統制を要求して
  いる。この際、その場しのぎではなく、根本的なところから
  考えて
みよう。外部監査をパスすれば全てOKというのでは
  なく、本来経営として行うべき事を全て見直してみよう。

2.内部統制の対象として、どこに重点を置くか。

  例:1年目から全て綿密にやると本業を圧迫するので、まず
    は内部統制の基盤となる、エンタープライズリスクマネジ
    メントを徹底し、その上で財務諸表の信頼性を確保する
    ための様々な手を打とう。2年目からはコンプライアンス
    や業務の有効性、効率性に重点を置いていこう。


3.
内部監査部門の位置づけ。

 例:これまで社内の優秀な人材を集めて監査部を運営してきた。
   ノウハウも蓄積されているし、社内コンサルタントとしての信頼
   も得ている。監査部を内部統制の主幹部署として、内部監査を
   支援するソフトウェアを採用し、強化しよう。
   監査部はエンタープライズリスクマネジメントの主幹部門でもあ
   るし。
   情報システム室、工場、営業部からも監査部に人望ある人を
   何人か移動させよう。

 4.会社の業績と内部統制の関連。
   
   例:エンタープライズリスクマネジメントでは、各リスクについて
     説明責任者を任命しているけれど、このリスクの管理状況
     を業績の指標の一つにしよう。
     うちはバランストスコアカードを業績評価に使っているので、
     各従業員、各部署のスコアの項目にリスクへの対応を加え
     よう。
     こうすれば、「業務の有効性及び効率性」、「資産の保全」と、
     会社の業績との関連がきれいにつながる。

5.ITの利用。
  例:これだけ管理項目が多いし、日々アップデートしなければな
    らないから、Webベースで一元管理する必要がある。これまで
    使ってきた情報システムと親和性のあるWebベースのエンタ
    ープライズリスクマネジメントソフト、文書管理ソフト、内部監査
    支援ソフトを導入しよう。

「うちは、このように解決している。」という、ご意見をお寄せ下さい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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このエントリーへのコメント

2

内部統制とエンタープライズリスクマネジメントは、本来、上場、非上場に関わらず必要なことだけど、これまで法律で強制されなかったという背景があります。そのため、企業は車に例えると、エンジンばかりを強化し、ブレーキなどの安全対策は後回しにして来た歴史があります。数々の企業不祥事に当てはめてみると、「あの事件は、このように内部統制、エンタープライズリスクマネジメントを実行すれば防ぐことができるかもしれない。」と、他山の石とできるでしょう。
それから、この1年間で欧米で実績のある内部統制やエンタープライズリスクマネジメントを効率的に実現するWebサーバソフトが日本語化され、コンサルティングサービスを含めて販売されているので、大企業だけでなく中堅企業も一気にエクセレント企業になるチャンスだとも言えるでしょう。

  Superbb on 2006/10/30

1

問題点、どこをとっても企業にとって痛い部分ですね。

企業としては、「いま上手く事業が廻っているのに、なぜ高額な投資までして財務諸表の正当性を担保しなければならないのか?」というモワモワとした疑念が払拭しきれていないのではないでしょうか?

マスターカードのCMのように、「お金に替えられない価値」という部分を真剣に考え抜けば、自ずとどこに(内部統制に対する)投資すべきかが明確になるとも思えます。

一方、非上場企業ではJ-SOX対応は対象外ですが、非上場企業は上場企業と取引していることも多いと思われますので、その取引先の上場企業から、「オタクの見積書の正当性を示せ!」だとか、「オタクへの外注案件の業務フローの正当性を示せ!」など、いろいろと注文がつくことになるでしょう。こういうことを考えると、内部統制やJ-SOXは上場企業だけではなく、非上場企業もそれなりの準備をしておくべきなのでしょうね。

  kikumasa on 2006/10/30

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