Geeklogの日本ユーザ会であるGeeklog Japaneseは,コア開発者の複数体制にはじまり,SNS 800名体制で,セミナー・ブース出展協力など万全だ。このように,オープンソースの運営には,できるだけ多くの利用者を巻き込み,その中から開発者・協力者を見出して連携をとっていくのが理想的だし,他でもそれをやっているものだと思っていた。
だが,オープンソース自体がボランティアで技術者がそれぞれの思いで関わることとなるので,グループ運営のリーダーシップを取らない,あるいは自然発生に任せて,もっぱら開発に専念してしまっている,あるいは主要開発者が興味を失うか次第にコミュから離れた後,だれが引き継いでリーダシップをとるのか遠慮しあって運営が行えていないところ等など,必ずしも順調に運営できているとは言えない様だ。
だれが本を執筆するのか,だれがイベントに出展するのか,だれがセミナーを開催するのかがなかなかコンセンサスが取れず,コミュニティとして動けない場合も少なくない。
だれもが知っている巨大オープンソースなのに日本でたった20人とか,たくさんのユーザがいるはずなのに開発者1人で日本語化を行っているとか,各々オープンソースコミュの運営自体,スタートラインに立てているとはなかなか言いづらい状況もあるようだ。
また,オープンソースの場合,英語版は本家から配布されて,それはかなりの確率でドイツのようなのだが,そのオープンソースは,日本語化作業や携帯への対応など,日本ならではの開発を行って配布する。そのため本家とどう良好な協力体制をとるかは実は非常に大切なのだ。が,オープンソースによっては, ロゴ利用の規制にはじまり,様々な場面で本家から制限を受けて,自由に動けないものも少なくない。
マルチバイトへの対応も,本家の開発者グループがどこまで対応してくれるのかもネックだが。
オープンソースをユーザに紹介する場も限られており,現在は企業のある一部門のオープンソースへの貢献事業というかたちで無償でブース出展が可能になっているが,十分とは言えない。(参考:オープンソースを支えるコミュニティ活動(イベント編))
オープンソースがこれからの日本の産業に大きな影響を与えることは明白なので,国の事業として考えても良いくらいなのに,個々の企業が自主的に行っている数々のイベントに国が直接なんのサポートも行っている形跡がない。
国が主体となって,個人のボランティアや企業の善意にたよりがちなオープンソース活動をもっと側面支援してほしい。
支援する方法としては,オープンソースを発表する場の提供だ。
特定企業だけに頼ることなく,こころおきなく,ネット環境がそろった環境で思い思いにオープンソースを展示・発表していきたいものだ。
そうして国ももっとオープンソースを利用していくことで費用対効果をあげていける。
オープンソースを使うことにより無駄に重複してソフトウェアを開発しなくて済むことになるので,多くの国に頼った既存企業は倒れていくことになるかもしれないが,そこに囲い込まれていた優秀な開発者を救い出すことにもなるかもしれない。
そうして,無駄な開発を必要な開発へと集中させて,日本の技術力をオープンソースで結集し,SOHOのワーキングスタイルをも推進させることにより,ライフスタイルを改善して住みやすい日本に移行して世界と技術で貢献し,連携していける社会を築けるのではないか。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
今駒哲子 on 2007/11/12
きむこうさん,コメントありがとうございます。
OSSの利用法は,ただだからこっそり使おう,なんていう低い意識がはびこっているとしたら,これはコミュニティがしっかりと目を光らせて,GPLで配布しているならその精神を常に宣伝して,ユーザみんなで情報を交換しあってさらに良いOSSにしていく必要があるとおもいます。少なくともGeeklogはそのようにしているので,みなさん,開発成果をサポート掲示板やSNSで公開されているので,それをGeeklog Wikiに取りまとめて公開して情報共有しています。
そういったところに,コミュニティの存在意義があるのだと思います。
企業のバックアップ,といえば,Geeklogの場合は,Geeklogをメインに開発・運営・サポートをおこなっているわたしの会社でもあるアイビー・ウィーが全面的に背後からサポートしています。
サポート企業がそれを商材にすることにより,OSSが信頼性のおける製品になるためにはしっかりと面倒をみるように,自然になります。
ボランティア活動だけの集まりでは,責任所在が不明確で,ユーザに自信を持って進めるまでにはなかなか…。使ってもいいけど,自己責任でね,というのはOSSの基本ですが,配布側がそれを実際にビジネス用途で活用して信頼性の高いものにしあげた上で,配布しなければ,怖くて使えないですよね。
今駒哲子 on 2007/11/12
OSS自体が単体で商売になりにくいというのが
一番の問題だと思います。
<趣味レベルで参加するというのは
強制できないという事ですし。
オフ会等が特になければ顔も見えないわけですしね・・。
一寸前にinfoseekで
Seasarのメインコミッターの方の
記事が載っていましたが
一般の技術者には無理ですね<汗
==============================================================
■上司に認めてもらえないエンジニアは“社内”を捨てOSSで行こう
★いくら社内でがんばっていてもお金(事業)にならない限り評価されない
★オープンソースコミュニティに参加
=>サポート業務がお金になる
=>社内の評価が上がる
==============================================================
中小企業に対する受諾開発が
低予算化しているなか、費用かがからないから
OSSを使うのであって、
「OSSにバグがあれば自分でパッチはするけど
SVN等に情報を共有等まではしない」
なんて普通だから、いつまでたっても
同じような問題にどこも引っかかる
これじゃ良くなりようがない。
まあeclipse、Fedora等の外国のOSSのように
企業自体がバックアップするような形にならない限り
正直日本でのOSS運用はかなり厳しいと思いますが。
日本の企業の場合は、
中小等でOSSにするという場合
「開発ソフトの一部をOSSにすれば、
開発部の人件費けづれるんじゃない?」
ぐらいの安易な考えのところが多いから・・。
外部の良いアイデア等を取り込んで
製品をよくしていくという外国と同じ方針で行かない限り
みんながWINーWINというのは無理なのかもしれません
きむこう on 2007/11/12
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このブログではいろいろ差しさわりがあるかと,控えめに言いましたが,いろいろなコミュニティの代表者や関係者に直接聞いたりしたわけですが,実際には健全で理想的なかたちで運営されているコミュニティはほとんどない,という結果でした。
OSSがここまでもてはやされているというのに,このギャップは何でしょうか。
無料で使えるところばかりが活用されて,フィードバックするGPLの精神がまったくなおざりになっている可能性がありますね。
オープンソースを使うのなら,ソフトウェアの優劣だけでなく,コミュニティも吟味して使わないと,思わぬ落とし穴に陥りそうです。
そして,使うのなら,使った分だけお返ししていく姿勢を出すことが重要だと思います。そうやってみんながフィードバックすることで進化していくわけですから。