最終更新時刻:2010年2月10日(水) 21時17分
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W-ZERO3の解約と総括

公開日時:
2006/05/04 08:14
著者:
f-shin

CNET読者blogに、W-ZERO3のレビュー記事があるのに、こういうのを書くのも恐縮だが、先日、W-ZERO3を手放した。Windows CE(現Windows Mobile)を搭載した機種としては最も認知の高いマシンであるが残念ながら長くは使えなかった。自分的に総括をしてみたいと思う。

■購入したきっかけ。
自分が買う物としては珍しく衝動買いであった。
普段は、auのWINとノートパソコンをBluetoothで通信する環境を整え、快適なモバイルアクセスは実現できていたし、今更PHSに戻るのも嫌だと感じており、そもそも全然、買うつもりがなかったのだが、目覚まし時計を買いにビックカメラに行ったら唐突に在庫があったので、つられる形で買ってしまった。

■初回の印象
購入直後に、以下のblogにて書いている。
W-ZERO3レビュー
>・よくも悪くもWindows CEに電話がついただけのPDAである。
>「できる」と「使える」は違う。WinCE特有の「大いなる妥協」をきっちり理解できる人だけが幸せになれます。

最初から評価は微妙だった。何かの間違いがあってはと一週間評価してからblogを書いた。
発売日に買ったSigmarion3が出てから、もう数年経っているし、OSの名前もWindows CEからWindows Mobileと名前が変わってる割に、性能、安定性もろもろWindows CE機の弱点と思われる部分に全く進歩が感じられないという印象。

電話機能が普通のWindowsアプリだったところに、Windows Mobileであることと、電話端末であるところのバランスの難しさを感じたものである。

■使っててみて感じたこと。
この機種はキーボードの機構と画面サイズも優れているが、ベーシックに優れていたポイントは、やはりデジカメと通信機能が統合されていることだと思う。

また何よりSigmarion 3の頃と比べ時代背景が有利な点は、通信先のWebサイト側が面白くなってきていたことが挙げられる。購入の段階でも、何よりWebサービスの利用端末としてのW-ZERO3というのを重視した。
(結局、CEアプリはOperaなどのWebからダウンロードできるもの以外はインストールしていない。無線LAN経由でデータ同期やアプリのインストールができないのが残念。)

・mixi
mixiモバイルにアクセスできないのが痛かった。(mixi側ではじかれる)
仕方ないので通常のオレンジ色の画面に繋ぐわけだが、mixiは、マイミク写真など画像を多用してるので、携帯での使い勝手に勝てない。
(OperaのUAが書き換えられれば良かったのだが・・・)

・Google Maps
Google MapsがOperaで動いた。これで一度、場所が分からなかった代官山のカフェの位置を調べることができ助かった。
ただしスピードと画面レンダリングは非常に遅い。本当に困ったから頼れたが、自分でGoogle Mapsのレンダリング領域を小さくして、検索フィールドを組み合わせたページを自分で作るべきだと思った。実用に値せず。(住所の検索機能は、google localの機能なので、そうは簡単に行かない。)

・Flickr
「通信機能付きのデジカメ」として、Flickrを使い始めるきっかけになった。最初は面白かったが、デジカメの画質が悪くてモチベーションが長続きせず。
(結局今では普通のデジカメを持ち歩いている。画像送信に特化してFlickrへのアップロードスクリプトを書けばカスタマイズ可能な「通信機能付きのデジカメ」欲しい!!(できればBluetoothが理想なんだけどなぁ・・・))

・qooqle最高
qooqleがW-ZERO3で最強な件について
Google MapsもそうだがOperaでAJAXが動いた。非力なWindows Mobile機では、画面遷移がないのは非常にありがたい。そういう面で、qooqleのユーザインターフェースはW-ZERO3では非常に効果的だった。

例えば見知らぬ駅にたどり着いて、qooqleで駅名を入れるだけで、その場所で注目の情報がタグクラウドで俯瞰して見られるのは最高だと思った。

・自分でもRSSリーダーを作ってみた。
W-ZERO3向けのRSSリーダーα版
AJAXでデータを読み込み、W-ZERO3のキーボードオペレーションでエントリーの前後と、他のblogのフィードに切り替える機能を実装した。電車でつり革に捕まりながら、一通りのオペレーションが片手で行えるRSSリーダーが欲しかった。

・・・W-ZERO3を買って一番、得したと思ったのは、AJAXがモバイルで最強な事が分かったということ。
携帯もブラウザが進化して、AJAXアプリが動くようになったら、ユーザビリティは劇的に改善されると思う。

■使わなくなっていった理由
実験機としては面白いのですが、以下の理由で、段々使わなくなっていった。
・携帯電話的な待ち受け前提の設計。バッテリーが全然持たない
 数日カバンに入れっぱなしで、思い出して使おうと思うと、その時には電源がつかない悲しさ。
 タッチパネルに手か何かがあたって、液晶バックライトがOnになり無駄に電池が消費される事態を防ぐために、せめてハード的な電源ロックはつけて欲しかった。
・電源オフ/オンという運用は立ち上げ遅い。しかも通信機能が調子悪くなったりする。
・Operaのせいかもしれないが、よくOperaが動かなくなる。しかも、リセットボタンはフタの中に隠蔽されリセットも手間がかかる。
・通信もやっぱり遅くて、さくさくは使えない。

・・・なんだか携帯電話って良くできてるなぁと思った。

■手放すきっかけ
仕事絡みでノートPCを持ち歩いた方が、都合が良いという状況に戻っていったため携帯のパケット通信料金がかかってしまい、W-ZERO3購入時に解約したWINのパケットプランを戻したくなった。

W-ZERO3と携帯のパケットプランの両立は僕にはできなかったことが挙げられます。お金気にしなければ持ってても良いんですが、「あれば良い(=なくても良い)」程度だったのと、稼働率が下がるなら高値で売れる今のうちに手放した方が良いと思った。

■所感
どうしても疑問に思うのが、W-ZERO3が何故ここまで人気があるのだろうか?ということ。
もはやPDAクラスのモバイル機は死滅しかかっているので、モバイルマニアが最後の砦的に飛びつくのはデフォルトとしても、それだけで、ここまで人気が出るとは思えない。

特に最近、W-ZERO3を使ったビジネスソリューションなどの話を見かけるようになった。

W-ZERO3は、デジカメはあるし、通信もできるし、Operaもよく動くので、スペック的にはかなり面白いのだが、Windows Mobileの安定性や通信性能、処理速度などから、その実用性はかなり低い。

W-ZERO3を仕事で持ち歩けと言われたら生産性が高くなるとはどうしても思えないのだが、もしW-ZERO3を導入する企業があるならパワーポイントの提案資料だけで書かれた字ズラの魅力ではなく、必ず実地試験を行い、エンドユーザー(営業マンとか)の立場から本当に使い物になるのか?を評価してから導入した方がよい。

特に電池の持ちは、W-ZERO3に限らない話であるが致命的だと思う。運用で毎日充電すれば良いじゃん的な「かくあるべし」を持ち込むと必ず返り討ちにあうと思われる。

そして、この機種を使ってみて以下の知見を得られたのが重要だと思った。

自分のW-ZERO3の使い方が象徴的だったのが、Sigmarion3の頃と違って、Windowsであることにあまり価値を感じなかったこと。

結局、自分が使ったのは、デジカメ写真を送るメーラーとAjaxが使えるOperaだった。
同じ事ができれば、OSはPalmでもZaurusでも、iPodでも構わない。

むしろWindows Mobileのように、もはや如何ともし難いのではないか?と思わしき安定性よりも、リナザウの方が可能性を大きく感じる。Webサービス特化型のモバイル機器および、Ajaxに対応できWeb標準準拠の高性能ブラウザを実装してみてはどうだろうか。

qooqleのようなマッシュアップ型のサービスで、Yahoo!のように実は結構容量の大きいWebサイトをシンプルにすることができるし、blog等の情報もRSSで流通してるから、RSSリーダーやRSS連携機能を使ったWebアプリを作ることで、最低限の通信で必要なデータだけを得ることができる。AJAX、DHTMLは、モバイル機器が持つウインドウ概念の使いにくさを解決する。

モバイルで重視すべきは、いつまでもOfficeとの親和性ではないと思うのだが、どうだろうか。
(どうせPC上のOfficeとは同じじゃないんだし)

いろいろ通信環境がそろってきたことも含め、Web2.0時代にこそ、高性能モバイル機器はその親和性を発揮することができる。コンセプトとしては、「Web2.0をマッシュアップするデバイス」というのは如何であろうか。

p.s.先日、秋葉のソフマップでW-ZERO3を2台手放しました。カバンにそのまま放り込んでた割には、キレイに使ってたと思うので、もし次に使う人がいたら是非とも可愛がってやってください。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

前後の記事

このエントリーへのコメント

10

私もまったく同じ理由で手放しました。最近じゃ、セキュリティの問題で、どこの事務所もモバイル端末は持ち込めないので、電子手帳として激しく使っていたのですが、結局、手帳に戻ったし。
いまはAUのW51Hを使っていますが、これがまたよくできてる。電池の持ちはいいし、通信速度も反応速度も完璧。なんでWindowsCEなのかな。
もっとさくさくのPalmでもよかったはずなのに。なんでCEなの?
この記事にまったく同感です!

  なるなる on 2007/08/31

9

使い始めて1週間のものです。
まず、Windows Mobile 遅すぎる、電池もたなすぎる、というのは素直に同意です。
Palm OS でもいいし、リナザウに Air-H" を組み込んだものでもよかったんだけど、なんか MS に握られてるのかなあ。
あと、いろいろパッチを組み込んで工夫すれば使いやすくなるっていうのも、なんとなく Linux や Palm に比べるとモトが悪い上にする工夫って、やりがいが少ない気がします。苦労しても男前度が上がらないというか・・・(^^;
あと、外部バッテリはよう使いません。モバイルを導入したら荷物が増えたではシャレになんないでしょう。

ま、モバイル命で、他に選択肢がないものとしては使いますけど・・・。あと毎日2時間特定のものと長電話するので、ウィルコムは導入したかった。(でもでかい液晶に顔押し付けて電話するのはどうかと思います)

f-shinさんの意見が説得力があるのは「携帯ってよくできてるなあ」というところ。今でもさっとメール見たりさっと乗り換え案内したりするのは携帯使ってます。(今でも2個持ちです)
普通の携帯にVGA液晶と、QWERTYキーボードがあるものがあったら全然そっちに乗り換えます。

ただ、MNP でただ一社 Windows Mobile(<=

  minna-daisuki on 2006/12/10

8

これは期待できるかなぁ?!

Microsoft、『Windows CE 6』のベータ版公開
http://japan.internet.com/allnet/20060510/12.html

>Windows CE 6 では OS カーネル アーキテクチャの設計を新しくし、
>同時に実行可能なプロセス数を32件から一気に3万2000件まで拡大した。>1件のプロセスは、2GB の仮想メモリアドレス空間で動作する。


Tronカーネルはどうなったんでしょうか。。。

  f-shin on 2006/05/15

7

ウィルコムそのものがどちらかというとマニア層の下支えがあってこそみたいなところがありますし、ビジネス向けではないとと思いますから、今の売り方しかないんじゃないかなぁとは思います。マニア向けで安穏としてちゃダメだと思うし。

そもそもW-ZERO3がなければ、スマートホンにせよ、PDAにせよ先はなかったと思うので(M1000も2005年9月時点で1万台でしたっけ?)、見せ方を工夫すれば、10万台以上売れたという実績は、スマートフォンにとっては救世主なのかなとは思いますよ。

だからガンガン改善していって、良いものを作ってほしいなぁと思う限りです。

  f-shin on 2006/05/15

6

>道楽者のマニア向けの端末。

それなら何故他の端末と並べて売っているのかと。
ドコモのM1000は一応ビジネスFOMAとして一般の端末とは分けていますが、
ウィルコムがそうしなかったのは大きな過ちですね。

DDI-Pの頃からこの会社はあちこちの市場を荒らす癖があって好きではないのですが、
(ex. 規格逸脱、1円叩き売り、PHS→携帯電話と偽称etc....)
ZERO3でスマートフォンに悪いイメージが
広がって、このジャンルの市場が消滅してしまわないことを祈るばかりです。

  そうりゅう on 2006/05/15

5

うんうん。激しく同意です。

こういう意見ツリーができて満足しています。別に茶化しているわけじゃないですよ。

ちなみに、
>本体の設定画面から、画面回転ボタン長押しでロックとか、
>Todayにロック用のボタンを表示することも可能。

これってソフトロックですよね?
液晶のバックライトの制御はできないんじゃありませんでしたっけ?
(手放しちゃって検証できませんので、間違ってたらすいません。VGAサイズの液晶のバックライトが間違って点灯したら、電力消費大きいですよね。)


あと最初にも書きましたが、今一度、このエントリで本当に言いたいことを思い出しました。

「日本のメーカーは、Windows Mobileなんかに依存しないで、自分達で良いOSを作れ!。その時に見方にすべきはWeb2.0だと思う。」

日本にはITRONがあるんだから、まったくできないことを言ってはいないハズ。あとはブラウザですかね。Ajaxが動くブラウザがあると良いんですけど。それとユーザーインターフェース設計のプロがいると良い。ライブドアリーダーを作ってるmalaさんみたいな。

余談ですがpalmを再度買おうかと思いましたが、ブラウザがイマイチなのでやめました。

http://www.palm.com/us/products/

  f-shin on 2006/05/10

4

「何故PCの自作なんてするの?」って問いと同じ気がします。
W-ZERO3の主な人気は、フリーソフトでのカスタマイズを楽しめる、
マニアックな人々からの支持によるものでしょう。
例えばPCを自作する人、PSPをパソコンにつないでフル活用している人、
Vectorや窓の杜やを定期的にチェックしている人、などのいわゆる
デジタルマニア、PCマニアが対象であって、買ったものをそのまま
最高の状態で使いたい、と言う人には全く向いていない機種です。
そもそも、デジタル好きでなければ、あんなバカでかくて不恰好で
ムダに多機能なケータイを買う人がいるとは思えません。


DDIポケットの頃から今のWillcomに至るまで、洗練されて
いないし使い勝手も悪いけど、最新の取り組みをしていく
実験室みたいなところがあって、古参のPHSユーザーの一部
はそれを楽しんでいる節があります。
携帯カメラ、テレビ電話、フルブラウザなどの実装もPHSが
先行してましたね。
どれも、機能や価格がこなれてから携帯に実装されました。
まさに、すぐにはビジネスにならないサービスの実験場です。

で、今回のPDA(WinCE機器)とケータイの強引な融合、と言う
モデルもその流れを踏襲するものと言えそうです。


ちなみ

  くろいぬ on 2006/05/10

3

ちなみに使い勝手を向上する工夫としては、RSSリーダーとか作ってみたんですけど、そういうのじゃダメっすかね。

W-ZERO3向けのRSSリーダーα版
http://www.milkstand.net/fsgarage/archives/000813.html

方向性が違うというのはあるのかも(笑)

  f-shin on 2006/05/10

2

メールですか。

POP3はモバイルには向かないなぁとか、最近は携帯のサービスで事足りちゃうんじゃないかとか思ったりするんですが、まぁそれはそれとして、

バッテリの予備バッテリを使えばいいじゃんってのは、ちょっと違うような。

バッテリを複数個持ち歩くその苦労をOKとするなら、どんな機種でもアリって気がしますし、解釈はわかれると思いますが、そういう努力をしてまでモバイル機を使おうとは思わないのです。(そもそも、それは優秀なプロダクトとは言えないです)

よく知らないんですけど、外部バッテリは専用の充電器とかがあったりするんでしょうか?バッテリ切れた時に、二個付け替えて本体使って充電ってのは運用としてありえんです。

例えば、僕は、5GのiPodに毎朝、前日録画したTVが自動でエンコードされたものをiPodに転送して持ち歩いていますが、これはクレードルに置くだけで勝手に転送してくれるからこそ、やる意味があると思っています。毎日手動でエンコードのオペレーションが必要なら、絶対にやりません。

モバイルは毎日持ち歩くものですし、あくまでも道具なので、日常の運用に如何に苦労せず乗るかをモバイルでは重視していますし、そういう視点でレビューを書

  f-shin on 2006/05/10

1

私はW-ZERO3の最大のメリットはメールだと思います。ポケットボードにでかい液晶がついたという感じ。だから,普通に売れたんだと思います。

また,バッテリなんて外部バッテリを使ったり,予備バッテリを使ったりすればいいだけだと思います。まあ,昔から携帯電話を使っていた人はそういった使い方になじんでいるんじゃないでしょうか。また,オプションでバッテリの持ちを倍にする方法もあります(電話,メール着信時にダイアログを光らせないなどをきればいいだけです)。

  山田@MN on 2006/05/09

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