佐々木俊尚より:
匿名と特定の関係を考える
実名ー匿名というのは、今さら言うまでもない。日本人なら誰でも持っている氏名を、明かしているかどうかということだ。特定ー不特定というのはこれとは少し位相が異なり、ある特定の集団の中で、その人がどの位置にいるのかを特定できているかどうかを指している。氏名がわかっていなくても、その人の位置を特定することは可能なのだ。 [続きを読む]
ネット上での発言について、実名/匿名についてはいろいろな議論がある。匿名での発言は無責任でけしからんとか、逆に匿名だからこそ自由な発言が可能でそれこそがネットの特徴なのだとか。
佐々木氏のこの記事は、実名と匿名に加えて特定/不特定の軸を追加して考えるべきだと提起している。重要な提起だと感じたのでコメントしてみる。
たとえ匿名であっても、ブログで継続的に発言しているならば、発言者としての特定は可能だとする。ニックネームでの発言には継続性というか、自己同一性があるではないか、という主張だと思う。
そして逆に実名であってもそこにその人間の所属、肩書の情報がなければ意味がないとする意見についても紹介されている。個人そのものよりもその人がどこの会社の人であるのかの方を重視する人がたくさんいるのではないか、というのだ。佐々木氏はその考え方には反対であるようだ。ブログ等での発言は個人の責任のものであって、組織の問題ではないととらえておられるようだ。
私は佐々木氏の意見に賛成だ。
匿名の弊害は確かにあって、それは問題なのだが、だからといってネットにおいてなんらかの規制によって匿名を排除すべきではない。ネット上の情報には不確かなものや不正確な情報も多々含まれている。それと同じことだろう。
情報の有用性は、それを受け取る側が自己責任において判断すべきである。現状においてはそれが答えだと私は思うな。匿名の情報はちょっとあやしい。うのみにするべきではない。
しかしそれは実名の場合であっても同じだ。うのみにするべきではない。
なんていうか、実名か匿名かという問題の立て方がおかしいということだ。実名ならば良いという話ではないだろう、ということだな。匿名の弊害とされる問題への対策については、別なやり方を考える必要があるのだろう。
実名であれ匿名であれ、個人が特定できる状況における発言か否かが重要である。その人が継続的にブログを書いている人であれば、たとえ匿名であってもその人格(?)が特定できる。作家のペンネームのようなもんだな。発言における自己同一性の有無が問題だということだ。その通りだと思うけどな。
誰がそれを言っているのか?ということよりも、その発言内容そのものの是非を問うべきだ。ネットはそういう場所なのだ。
あ、でもファシリテーションの本には、会議においても発言者と発言内容は切り離して議論すべきだと書いてあった。誰が言ったかは関係ない。その発言内容が論理的に有意義かどうかを議論すべきだと。なんだ、ネットもリアルも関係ないんじゃん。議論のお作法の話なのかね。たんに議論が下手だってだけかも。
むしろネットでは情報を受け取る側の責任が大きいのかもしれない。賛成なのか反対なのか、無視するのか参加するのか、正面から議論するのかあげ足を取るのか。建設的な議論をするのか終わりのない水掛け論を挑むのか。
現実的な問題として、スプレーで壁に落書きするような行為をどうやって未然に防止しようというのか。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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