なぜ石器時代?通信の世界で25年間生きてきていますが、最近の通信の発達の歴史にはすさまじいものがあります。たった10年ぐらい前の携帯電話開発について書くのですが、もうそれは石器時代のものといっても過言ではないと思うので、こういうタイトルにしました。。。
今回は移動体通信(*1)に対する要求条件とその要求を満たすテクノロジーについて列挙します.
“使ってみたい”移動体通信
テクノロジーの説明の前に “使ってみたい”移動体通信について考えてみます.
いつでも、持ち歩き、そして気軽に使えるという事を考えると、その要求条件は以下のようになります.
これらの要求条件について掘り下げて説明します.
小型,軽量化
携帯電話端末の重さは7年前で300g,4年前で200g,そして現在はようやく100gをきるようになってきました.
また重量だけでなく、形状についても携帯に便利な薄型タイプが多く出ています.小型,軽量の携帯電話端末を作るためには以下の二つのアプローチがあります.
アプローチ?は携帯電話端末自体を小型,軽量にするために、端末を構成する部品に小型,軽量のものを用いるということです。どちらかと言えば直接的なアプローチとなります。
アプローチ?は携帯電話端末のみではなく,基地局も含めたシステム全体の最適化を行い端末の小型,軽量化を実現しようとするものです.
小型,軽量化を実現するテクノロジーには以下のようなものがあります.
それぞれのテクノロジーを上のようにアプローチの?と?に分けてみました。
簡単にそれぞれについて説明をします.
システムチップ化というのは複数の部品で行っていた機能を一つの部品で実現する方法で,システムそのものが部品(チップ)になるというイメージでこう呼ばれています.
複数部品を一つにまとめるので,当然,重量も,占有する場所も小さくなり,小型軽量化に寄与します.
部品自体の小型化、軽量化については特に説明は要りませんね.
携帯電話における電池の重さは全体の数十パーセントに及びます,この電池に効率が良い,高効率なものを使うことで,全体の重さを低減しようという考えです.
また,同じ電池の重さ,大きさであっても効率が高いと途中で充電しなくても,長い時間待ち受けができる,長い時間通話ができるというユーザに対する利便性を向上させることにもなります.
高密度実装技術は私達の目に見えないところで技術を競っているテクノロジーです.
携帯電話ではないのですが,その昔ノートパソコンを小さく軽く開発する部隊で現場の技術者が値を上げた事がありました,その時,そのチームのプロジェクトリーダはじゃあ,水を入れてみようか?と言ったそうです.
そうです,部品を平面にぎっしり並べるだけではなく,三次元的に見て,隙間があればそこに別の部品を入れてしまおうという考え方をしろ,そう考えればまだまだ隙間があるだろうし,その隙間を部品で埋め尽くせば,それなりに小さくなるだろうという事を,このプロジェクトリーダは言いたかったようです.
このエピソード (*3)のように密度がメチャクチャ高い実装をしているのが,携帯電話の技術と言えます.
ここまで,説明してきた4つのアプローチ?の要素技術は直接的なので,わかり易いのですが,アプローチ?はなぜ小型軽量化に寄与するか?少しわかりにくいと思います.
間欠待ち受け,マイクロセル化により,それぞれ待ち受け時と通話時の電池の消耗を減らすことができ,その結果として,電池の小型,軽量化,ひいては端末全体の小型軽量化に貢献します. (*4)
*1当時(1990年代半ば)は携帯電話がはやりだしたころで、それまでの主役自動車電話も含める意味で移動体通信と呼んでいます。このドキュメントの中では差し支えがない限り移動体通信という言葉を使います.
*2通常電話は発信しない限り,着信を待っている状態にあります、着信待ちをするためには端末は基地局からの電波を受信し続ける必要があります.間欠待ち受けとは、着信待ちの際の電波を受信する時間を間引く技術です.
*3本当にあった話です.
*4現在の携帯電話は待ち受け時間300時間、通話時間120分はざらですが,当時は待ち受時間が数十時間,通話時間がやっと60分ぐらいでした,それでも電池が端末の重量に占める割合は30%程度あった事を考えると,システムの工夫(アプローチ?)により、小型軽量化をはかるというのは大変効率が良い方法であると言えます.
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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