「メーカーは“偉大なる将軍様は絶対”と言っているのと同じ」−補償金問題で権利者会見。「ダビング10譲歩は大人な対応」という記事を見かけました。 「メーカーは“偉大なる将軍様は絶対”と言っているのと同じ」という発言はあまり大人な対応ではないなぁとちょっと思いますが、それはおいとくとして。
椎名氏は6月16日に発表した、JEITA宛の2度目の公開質問状の質問事項を詳しく説明。「補償金制度は私的複製が際限なく行なわれることで権利者に重大な経済的損失が生じる場合に、それを補償するもの」というJEITAの見解を、「誤った認識である」と指摘。「際限無く行なわれるコピーは違法行為であり、補償金はそれまでを補償するものではない。著作権法第30条に基づき、個人・零細の私的録音録画に対して補償するもの。著作権保護技術はその範囲を超えないようガードしているものであり、“補償金制度の必要性”と“技術的にコンテンツの利用をコントロールすることが容易になっていく”ことは相反するものではない」と指摘。
上の内容からすると、JEITAと権利者団体の間で補償金の位置づけの解釈が違うということなんでしょうね。ちなみに、私的録音補償金管理協会の制度の説明のところに次のような記述があります。
平成5年6月1日から、私的録音に関する補償金制度が実施されています。この制度は著作権法の一部改正により新たに創設されたもので、従来自由かつ無償であった私的な録音について、権利者の被る経済的不利益を補償するため、デジタル方式の機器・記録媒体を用いて行う場合には、録音自体は自由としつつ、権利者(作曲家や作詞家などの著作権者、歌手や演奏家、俳優などの実演家、レコード製作者)に対して補償金を支払うこととするものです。
きっと、この「権利者の被る経済的不利益を補償するため」の解釈が違うんでしょうね。ただ、権利者団体の方の主張である
「HDDレコーダはタイム/プレイスシフトだから補償金の対象にならないと言うが、MDや録音用CD-R/RW、録画用DVD-R/RWの時代でもタイム/プレイスシフトの使い方はあった。それがHDDになったから補償金は必要無いというのは合理性が無く、根拠を示すべき」
については、個人的には、いまひとつ理解できません。なぜかと言えば、放送をHDDレコーダで録画してタイムシフト視聴したことでどのような権利者の被る経済的不利益が発生するのか明確ではないからです。
まず、HDDレコーダを持っていないとすると、放送時間に予定があり放送を視聴できなければ、その放送は見ることはできません。再放送などがあれば見ることはできるかもしれませんが、再放送のない番組も多いので見逃すとそれで終わってしまいます。逆に権利者から見れば視聴者のいない時間に放送した放送局の方が問題だったりしませんか?
一方、HDDレコーダを持っていて、放送時間に予定があったためHDDレコーダに録画して後から視聴したとします。このとき、権利者の被る経済的不利益はいったいなんなのでしょうか?個人的には、HDDレコーダを持っていないのと、HDDレコーダを持っていて録画したものを後から視聴した場合で権利者がどのような経済的不利益を被っているのかわからないわけです。
確かに、もっともらしい理由をつけて経済的不利益があるみたいな主張はできるかもしれませんが、具体的にどういったケースでいくら経済的な不利益を被ったかが出てこないと何とも判断できません。 昔はこうだったから今もこうだというロジックはそれこそ合理性もなく、根拠も乏しいのでそれで払うのが当然という主張をされてもいまひとつ良くわからないわけです。あと、ダビング10、7月4日〜5日あたりから始まるみたいですでも触れたように権利者を特定できない形での補償金の支払いにちょっと疑問があったりもします。
さらに、私的録音補償金管理協会や私的録画補償金管理協会の説明を見ていて次の記述が気になりました。
補償金は指定管理団体から権利者に分配されるものですが、補償金の二割に相当する額については、権利者全体の利益を図るため、著作権等の保護に関する事業等(いわゆる共通目的事業)のために用いなければならないとされています。
著作権制度の知識普及等全般に共通する目的のための事業として、毎年度の補償金のうち20%を著作権、著作隣接権の保護に関する事業、および著作物の創作の振興と普及に資する事業に支出すること等が著作権法に定められている。SARVHは、権利者に共通するこれら事業のために基金を設け、権利者全体にとって有意義になる事業を行なっている。この基金を「共通目的基金」、各事業をまとめて「共通目的事業」と総称している。
「補償金のうち20%は、共通目的事業のために使わなければならない」となっています。なぜ、20%使うことが必須なのか?何となく、これって胡散臭さを感じてしまいます。
私的録音録画補償金制度の説明を読むと、主な登場者は、権利者、メーカ、消費者ですが、コンテンツの流通者は出てきていないですよね。特に放送局は製作(権利者)と放送(流通者)がゴチャゴチャしているので分かりづらいですが、タイムシフトの問題も実はコンテンツの流通者が見逃し需要に対してのソリューションを提供していないのが本当の問題だったりしませんか?ちがうのかなぁ?そういうのも含めて、補償金制度自身を根本から見直しするのが良いんじゃないかなぁと思う今日この頃です。
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いちのせかずまさん、コメントどうもありがとうございます。
CMの権利者って、CMの製作者、出演した方、そこで使用された音楽などの権利者という理解で正しいでしょうか?
恐らく、企業CMの場合、企業がCMの制作費を負担しているんですよね?例えば、そのCMが放送されたときの視聴率によって権利者に対する支払いが変わるということがあるのでしょうか?HDレコーダに録画されてしまうと、視聴率が下がり、権利者が経済的不利益を被ってしまうということでしょうか?
まあ、契約がどうなっているかに依存すると思いますが、個人的には何となく違うような気がします。
CMに関して言えば、権利者というよりも、放送局がHDレコーダに録画して視聴されてしまい視聴率が取れず広告費を高くすることができなくなり経済的な不利益を被っているという話であって、権利者は直接は関係なかったりしませんか?間接的には、権利者が放送の仕事をしたときの収入は減るのかもしれませんが。視聴率が減ると放送局の(広告)収入が減る。放送局に依存している権利者の収入も減る。これは、権利者の経済的不利益だ!だから、私的録音録画補償金を取って減った分を補填しようというロジックだったりするのでしょうか?
でも、それって放送局の問題を消費者に押し付けているように見えてしまうのですが気のせいでしょうかねぇ?
なんか疑問ばかりの返答になってしまいました。どうもすみません。ただ、個人的には権利者団体の主張は、根拠が説明されていないために理解できないんですよね。権利者団体の方でもう少し消費者にも分かりやすく根拠を示して貰えると主張の良し悪しが判断できるのですがねぇ・・・