IP化時代に信頼揺らぐ「NTT電話」という記事が出ていました。このページ『公開翌日以降、全文の閲覧には「ユーザー登録(無料)」が必要です。』と書いてあるので、読めない方も多いかもしれないので、軽く要約しておくと『NTTは交換機の時代は結構信頼性が高かったけど、ひかり電話のようなIP電話の世界ではノウハウが溜まっていないのかトラブルが多く信頼性が低いよね。このままだとNTTのユーザからの信頼度が下がってしまうので、ちゃんと対策しましょうね。』という内容です。確かに、この記事に指摘されている通り、ここのところひかり電話はトラブルが続いています。ひかり電話のユーザとしては、ちゃんと対応して欲しいところでしょうね。
個人的には、今後、NTTがNGNを導入することによってひかり電話を含むIP電話がさらに混乱することを心配しています。参照した記事の指摘は、主にIPネットワークの運用技術に関する指摘ですが、別の問題としてIP電話で使用されているSIP(Session Initiation Protocol)の相互接続性の問題があります。IETFのRFC等を読んだことがある方なら何となくわかると思いますが、RFCの記述は、MUST、SHOULD、MAY、RECOMMENTED等の感じの記述が随所に見られます。例えば、DNSのbind、HTTPのApacheのようにデファクトスタンダードとなるような実装が存在する場合には、RFCの記述のように多少自由度を持っていたとしても、多くの実装者はデファクトスタンダードのものと相互接続できる実装を行うために大きく問題なることはありません。しかしながら、デファクトスタンダードが存在しないSIPの世界で、このような記述をされた仕様しか存在しないことは、実は相互接続性を考えた場合非常に問題となってしまいます。
例えば、NTTのひかり電話とNGN対応のIP電話との相互接続を実現するためには端末実装側から考えるものすごく大変な状況になりそうです。ひかり電話のSIPの仕様は現在のNGNの仕様から考えると古い仕様を採用しています。このため、ひかり電話のIP電話端末は、NGN対応のIP電話は送信しないSIPメッセージを送信してきます。NGN対応のIP電話はこれを受信でき、かつ、ひかり電話のIP端末が正しく解釈できるSIPメッセージを送信できなければなりません。すなわち、NGN対応のIP電話端末は、同時にひかり電話の一部の機能を対応するIP電話端末である必要もあるわけです。これは、端末を実装する立場から考えると、実装やQA(Quality Assurance)のコストが高くなるわけで、あまり好ましいことではありません。
ちなみに、電話の相互接続を実現するためにゲートウェイが存在しています。例えば、PSTN(交換機網)とIPネットワークの間にはPSTNゲートウェイがあり、そこでプロトコルやメディアフォーマットの変換を行って相互接続を実現しています。昔の主流はH.323でしたが、恐らくひかり電話などではSIPに変換しているのでしょうね。NGNでも同様のことをやらないですかね。ひかり電話網(というかBフレッツ網かな)とNGNの間での通信で、ひかり電話からNGN対応のIP電話へのシグナリングはNGNで規定されているSIPに変換してもらう。実際、IP電話系のSIPサーバはいわゆるSIPサーバではなく、B2BUAが多いので技術的にはある程度可能なのではないかと思います。確かにB2BUAの負荷は高くなりますが、中途半端な仕様を勝手に導入したのは通信キャリア側だったりもするので、NGNを本格導入する際には端末側はひかり電話等の過去の仕様を引きずらずに送受信同じ仕様にのみ対応という形にならないでしょうか?相互接続性で苦労するようだと、NGNで端末やサービスのビジネスをするのが昔交換機を作っていた旧電電ファミリ系の企業のみになってしまいます。日本の特殊事情とかでそうなってしまったとしたら海外の企業も参入できません。そうなると、通信キャリアとしてもNGNでIP技術を導入したメリットが生かせないような気がします。
NGNを本当に盛り上げるためには、SIPのように電話関係者以外から見ると複雑なプロトコルをいかにして簡単にサービスや端末に実装してもらうかが重要となります。そこに、過去の機器との相互接続性は担保しないといけないから、過去の仕様もちゃんと繋がるように実装してとかいう話になるといきなり引いてしまいます。NGN対応しようと思ったら、ひかり電話も繋がらないといけないから、それも実装しないとダメとか言われたらいやですよね。そうならないと良いですね。
通信キャリアでも実務をやっている方は痛いほどわかっていると思うのですが、上層部の方は、そのあたりちゃんと理解しているのでしょうかねぇ?
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
ネットワーク型産業構造への衣替え?
iPhonista Nightの事後報告
変形マウス、Arc Mouseレビュー
オトナになるということ
福祉国家の失敗〜40年前の「断絶の時代」を読む(3)
公共団体のMSへの依存A会津若松市や島根に勇気!!
さあ来い!Silverlight 2
シュワ
オンライン広告は2012年に2兆円市場にーリーマンブラザース予測みんなのお題では、ブロガー同士で質問を出し合いそれに対する回答や意見を集めています。今日はどんな話題が盛り上がっているでしょう?
エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」CNET Japan ブログネットワークは、元はCNET Japanの一読者であった読者ブロガーと、編集部の依頼により執筆されているアルファブロガーたちが、ブログを通じてオンタイムに批評や意見を発信する場である「オピニオンプレイス」、また、オピニオンを交換するブロガーたちが集うソサエティです。
広い視野と鋭い目を持ったブロガーたちが、今日のIT業界や製品に対するビジョンや見解について日々熱く語っています。
CNET Japanやその他サイトが提供するITニュースやコンテンツへの意見や分析、 ビジネスやテクノロジーに対するビジョンや見解について語っていただける方を 募集しています。ご応募はこちらから
ブログの投稿はこちらから(※ブロガー専用)
今年最も活躍したブロガーを表彰します。詳細はこちらから
これは、CNET Japan 編集部の依頼に基づいて執筆されているCNET Japan アルファブロガーによるブログの印です。
CNET Japan ブログネットワーク内で拍手の代わりに使用する機能です。ブログを読んで、感激した・役に立ったなど、うれしいと思ったときにクリックしてください。多くGood!を獲得した記事は、より多くの人に読まれるように表示されます。
今週の新製品総チェック:新PS3が登場!ニコンが発表した映像製品「UP」とは?
[レビュー]2011年画質を備えた高画質、多機能Blu-ray--ソニー「BDZ-X95」
今週の新製品総チェック:よりモバイルPCとして進化した「Let's note」が登場
今週の新製品総チェック:フルサイズCMOS搭載のキヤノン「EOS 5D Mark II」が登場
今週の新製品総チェック:第4世代iPod nano登場、ソニー「α」、松下「LUMIX」に新機種も
bigさん。コメントどうもありがとうございます。
あくまで一例ということで。
http://www.ntt-west.co.jp/info/gisanshi/
あたりに、技術参考資料が置かれています。ここにひかり電話の技術資料もありますが、例えば、通話中の状態監視ということで、セッションタイマにSIPのre-INVITEリクエストを利用しています。しかし、NGNでは、UPDATEリクエストで実現していたりします。このため、ひかり電話と相互接続するためだけにNGNの端末は、UPDATEリクエストによるセッションタイマだけではなく、re-INVITEによるセッションタイマも実装しなければなりません。
もし、ひかり電話との過去互換のためにNGNに接続する端末でもre-INVITEによるセッションタイマを実装しなければならないとすると、それだけでNGN対応の端末を作りたくなくなってしまいます。機能としてはUPDATEによるセッションタイマだけで十分なはずですから、その手の違いは網側で吸収して欲しいです。
エンドユーザから見れば、この手の過去互換対応が多くなると端末の開発コスト、相互接続性テストのコスト、QAコストなどが端末の価格に跳ね返るので嬉しくないでしょうし、NGN端末として欲しい端末がいつまでたっても出てこない