NGNというと通信キャリア側の話が多いですが、自身のお勉強がてらNGNにネット家電を端末として接続するために何が必要そうかを少し考えてみたいと思います。
NGNでは、インターネットと同じIP(Internet Protocol)が使用されているので、既存のインターネットにつながる端末ならそのままつながりそうな気がしますが、特にQoS保証を必要とする場合にはただネット家電を持っていっただけではうまくつながらないみたいです。実は、名前解決とシグナリングの手段としてSIP(Session Initiation Protocol)が必要なのと、QoS保証を実現するために端末側にもパケットのシェーピングとポリシングの機能が必要そうです。すなわち、ネット家電にこれらの実装が必要となるわけです。ついでにIPv6の対応も必要になりますが・・・
SIPは何に使っているのか
NGNの話になると必ず出てくるSIPですが、具体的には何に使っているのでしょうか?基本的な機能として大きく3つの機能を実現するために使っています。
1.の名前解決ですが、通常インターネットではDNS (Domain Name Service)がホスト名からそれに対応するIPアドレスを解決します。例えば、Webサーバへアクセスする場合には、http://www.example.net/とか指定すると、www.example.netというホストのIPアドレスをDNSにアクセスして解決します。一方、NGNでは、ホスト名の代わりにSIP URIあるいはTel URLというメールアドレスのような名前を使って接続相手を呼び出します。例えば、sip:alice@example.netあるいはtel:01112345678という名前です。この名前からIPアドレスを解決できるように、SIP(REGISTER要求)を使ってNGN内のサーバにsip:alice@example.netの今のIPアドレスは1.2.3.4ですよと教えてあげます。同様に他の端末もNGN内のサーバにsip:bob@example.netの今のIPアドレスは2.3.4.5ですよと教えています。そして、相手につなげたいときにはDNSではなく、このSIP URIやTel URLで接続相手を指定してサーバに要求を送るとサーバが登録されているIPアドレスへ転送します。ということで、実は、相手の名前解決の方法からしてNGNは今までのインターネットと違ったりします。
2.の相手への接続要求ですが、NGNではこれもSIPを使用しています。接続相手はSIP URI/Tel URLで指定してSIPのINVITE要求をサーバに送ると、サーバが名前解決をして相手先に転送してくれます。それを受け取った端末は、相手の接続要求を受け入れるのであれば、受け入れOKと返します。
3.の使用する帯域やメディアの要求ですが、これはSIPではなくSDP (Session Description Protocol)という記述をINVITE要求などのSIPメッセージに添付しています。このSDPには、これから使用したい帯域やメディアコーデックなどの情報が記述されます。NGNでは、SDPに記述されている使用したい帯域が確保できるか出来ないかのアドミッションコントロールを行い、確保できる場合だけ要求を受け入れます。
パケットのシェーピングとポリシング
SIPの実装ができればNGN対応になると思ってしまいそうなのですが、実は、SIPの実装だけではNGNにはつながせてもらえないはずです。では、何が足りないかというと、パケットのシェーピングとポリシングです。QoSの保証を実現しようと必要になってしまいます。これもベストエフォートのインターネットではたぶんやっていないことが多いですよね。
パケットのシェーピングやポリシングって一体何かというと、使用したい帯域に対してIPパケットを出しすぎない(シェーピング)のと、受け入れ可能なIPパケット量以上送られてきたらパケットを破棄する(ポリシング)ような処理だったりします。これらの処理をネット端末側でちゃんと実装しないと、指定した以上のパケットを送出してしまったり、必要以上にパケット受信してしまって端末側がパケット溢れを起こしてしまったりします。
ネット家電をNGN対応にするにはハードルが高そう
簡単な説明しか書いていないのでちょっとわかりづらいかもしれませんが、NGNへネット端末を接続するためにはSIPの実装やパケットのシェーピングやポリシングなど結構面倒なことをしないといけないという雰囲気は何となくわかって頂けるかと思います。 ということで、いろいろ考えてみると実はネット家電をNGNに対応するのって面倒なんですよね。ただ、海外の状況はわかりませんが、少なくとも日本はNTTが次世代ひかり電話をNGNで実現しそうなので、知らず知らずのうちに国内の家庭にはNGNが入ってくるものと思われます。ネット家電をNGN対応にするにはハードルが高そうですが、中国、韓国、欧州など海外もNGNとか言っているようなので近いうちに対応が必要になる可能性はありますね(米国はあまりやる気なさそうに見える・・・)。ただ、今のようなクローズドなIPネットワークになってしまいそうだと、日本の携帯電話のようにジリ貧ビジネスになってしまいそうです。そうならないためにもインターネットのように世界中での相互接続性が非常に重要になるような気がするのですが・・・
う?ん。結構大変そうだけどNGN対応の家電出るのかなぁ????
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
cafe noir on 2007/01/17
通信の世界の話でドメインを出されるのであれば、hogeではなく、例示用ドメインが用意されておりますので、それらを使われたほうが良いと思います。
http://www.ietf.org/rfc/rfc2606.txt
http://jprs.jp/info/faq.html#27
文章内で使われているドメインが、ご自身が取得済みのものであれば良いですが、hoge や aaa など、例示のつもりだけで書いたものが、実は他者が取得済みの場合があります。
WHOIS等で確認されたほうが良いと思います。
N on 2007/01/16
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Nさん。ご指摘どうもありがとうございました。例示用ドメインの話は知りませんでした。参考になりました。