近頃、通信系の話題のひとつとしてNGN (Next Generation Network)という言葉を耳にすることが増えてきました。NTTもNGNのトライアルを開始したということで2007年から何かと話題になりそうなNGNですが、個人的には現在のインターネットを置き換える程のネットワークにはならないような気がしています。
インターネット上に公開されているNTTのフィールドトライアル版次世代ネットワークインタフェース資料などを読んでみると、NGNは、基本的に電話の発想から仕様が決まっているようです。インタラクティブ通信機能という用語を使っていても要するに電話(TV電話含む)のことでSIP (Session Initiation Protocol)を使ったIP電話の仕様のようです。一応、地上波デジタルの再配信向けと思われるマルチキャスト機能もあるようですが、MLDv2を使うよ程度しかわかりませんでした。ということで、現在公開されているNTTの資料を読んでみても次世代のひかり電話の仕様としか見えないんですよね。
また、NGNの売りのひとつとして、QoS (Quality of Service)の保証というか、アドミッションコントロール&パケット優先制御があります。確かに、QoSがある程度保証できるとベストエフォートに比べて動画コンテンツなどのストリーミングでのパケットロスの発生を減らすことが出来そうです。もし、現在のインターネットよりもストリーミングのパケットロスが減るならばちょっと良いかもしれませんね。でも、エンドツーエンドでのQoSの保証って世界レベルで出来るのでしょうか?個人的には、特にエンドツーエンドでのQoSの保証はNGNになったとしても実現はかなり難しいような気がしています。これは、仕様の問題というよりも、料金体系などポリティカルな問題で実現できないような気がします。
例えば、QoSを導入すると、確保した帯域に合わせて料金が異なる可能性が高いと思います。そうなると、ひとつのキャリア内のネットワークに閉じているうちは問題ないのですが、外部のキャリアのネットワークに接続する際の料金をどのように負担するのかという問題が出てきます。ユーザ的にはエンドツーエンドとしてしか見えなくても、世界規模で考えると間には複数のキャリアが介在します。結局、この料金負担であたりでキャリアが揉めてしまい、NGNはインターネットを置き換えることはできないような気がします。まあ、日本以外の国はあまりQoSを重視していないか無視という噂も聞こえてきていますが・・・
ということで、今のままではNGNはキャリアクローズドなIPネットワークになってしまう可能性が非常に高いと感じています。国内だけで考えてもNGNでNTTとKDDIが相互接続できるようになるとは思えませんし、海外のキャリアを含めると料金体系の差から話はもっと複雑になってしまいます。そう考えると、結局、今のベストエフォートのインターネットで良いんじゃない?という話になってしまいそうです。Apple TVやMicrosoftのXbox IPTVなど、海外は既存のインターネットで動画ダウンロードやストリーミングをするようですし。
NGNはキャリアクローズドなIPネットワークから脱却できるのでしょうか?様々なニュースを見るとNECなどはNGNに相当力を入れているようですが、一歩間違うとNGNと心中してしまいそうですね。まずは、NTTが欧米の大手の通信キャリアとNGNで相互接続できればクローズドなIPネットワークからの脱却の可能性が見えてきて、インターネットを置き換えるネットワークになれる可能性が多少は出てくると思うのですが交渉とかしているのでしょうか?
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