情報セキュリティ関連の翻訳をしていると、未知の英単語に遭遇するときがある。その例の一つが「targeted」という言葉だろう。これは何を意味するかというと、「不特定多数のユーザに対して手当たり次第に攻撃をするのではなく、特定の組織や企業に狙いを定めて攻撃を実行すること」である。
実はこの単語、現在のセキュリティシーンを語る上で欠かせない言葉となっている。よくありそうな説明をすれば、「近年のハッカーは、ワームやウイルスで社会を騒がせることで、自分の名誉を得るために活動しているのではない。むしろ、犯罪組織の一員として、金になりそうな情報を特定の企業から盗み出すために活動をしている。これまでのように、ワームやウイルスが猛威を振るっていた時代が終わり、ハッカーはrootkitやスパイウェアを使って密かに活動をするようになっている」。。。というくだりが続く。
このような文脈において前述の「targeted」という言葉は頻繁に使用される。Googleで「targeted attack」と検索すれば、どのような文章で使用されているかがわかるだろう。問題は、この言葉をどうやって訳すかという点だ。
カーネギーメロン大学の武田先生のブログにあるように、英語でそのまま「ターゲテッドアタック」とするのが、最も簡単な方法だ。ただし、これは翻訳者として、いや日本人としての敗北宣言ともいえる。そうであれば、説明調に、「特定組織を対象とした攻撃」とすることもできるが、これは何度も繰り返すとくどい。そこで、武田先生が提案されているように、「スピア型攻撃」など、別のカタカナ語でしっくりくるものを当てるという手もある。他には、「ピンポイント攻撃」なんかもいいだろう。
個人的には、「狙い打ち攻撃」なんて、どうだろうと思っているのだが、他に何かいい訳語はないだろうか?
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
voluntas on 2006/08/26
編集途中で投稿してしまいました…。
voluntasさん、いつも興味深く拝見させて頂いております。
翻訳というのは難しいですね。以前上司に言われフリーウェアのインストール時に表示される「あの文章」を訳すことがありましたが、最後に日本語としてしっくりするよう仕上げるのは本当に苦労しました。
さて、「標的攻撃」ですが何故かピンと来ないのですよね…。
この場を借りて別件ですが@yahoo.co.jpのアドレスでメールを送信させて頂きました。
Jacques on 2006/08/26
あがっていないもので候補となるのは、単純に「標的攻撃」じゃないでしょうか。
http://www-06.ibm.com/jp/press/20060210001.html
http://www.symantec.com/region/jp/finance/solution/index.html
使用例もありますし。
Jacques on 2006/08/26
ブログにコメントするにはCNET_IDにログインしてください。
メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。
Jacquesさん、コメントありがとうございます。「標的攻撃」!短くて、漢字4文字なんでインパクトありますね!
翻訳は確かに難しいですねー。でもこういう未知の単語って、それこそ「なりきり杉田玄白」って感じで、「自分がその言葉の最初の翻訳者なんだ!」という瞬間が、自分としては好きです。