最終更新時刻:2009年7月10日(金) 21時57分
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新聞・雑誌・書籍 は将来無料になる?

公開日時:
2008/05/12 07:05
著者:
doc

このところ3回ほど 将来は 読む・見る・聞く という情報娯楽を楽しむ携帯端末が情報消費の主流になるんじゃないか? という投稿をしたついでに それが成立するかどうかという事を情報を発信する側の収入の面から調べてみました。

デジタル配信される新聞や雑誌の収入というとすぐ頭に浮ぶのは広告なので まづは広告で新聞や雑誌の記事を書く人に十分な収入を提供できるのか という点に絞って 新聞・雑誌(週刊誌・月刊誌)・書籍(小説・ノウハウ本)・TVなど 分野別に検討してみました。

新聞
日本新聞協会の情報によると 2006年度の新聞社の全収入に対する広告収入の割合は 約31%です。 出費の方では 同じく日本新聞協会によれば 人件費が24%で その半数が記者・編集者である事がわかります。 従って 記事を作ってWEBに載せるだけならば 現在の労務費の半分である12%(人件費24%×記者人数比50%)で賄える事がわかります。
 
記事を書く為には 交通費や情報機器費用やオフィス費用もかかりますので おおざっぱに 記者人件費と同じとすれば デジタル配信だけの新聞社は現在の費用の24%で成立するという事になります。 従って現在の総収入の31%の広告収入を現在の総費用の24%で稼ぎ出せる事になるので 無料購読Net新聞社は 理論上は実現可能という事になりまり 実際 ニューヨークタイムズではこれに向けた取り組みが始まっている様です。

雑誌(週刊誌・月刊誌)
出版科学研究所の情報によれば 雑誌(週刊誌や月刊誌)の2007年度売上は約1兆2000億円です。 さらに 広告図書館の情報によれば 2007年度の雑誌の広告収入は4600億円です 雑誌社の収入を雑誌販売費+広告収入と仮定すると 全収入に対する広告収入の割合は28%(4600億/(1兆2000億+4200億))です。 

これはデジタル配信新聞の費用推定から 雑誌社も同じく現在の費用の24%で 取材&編集&デジタル配信できると仮定すれば 現在の収入の28%ある広告収入だけで まかなえるという事になり 広告だけの無料購読Net雑誌社は経営が成り立つ事になります。 現在の紙媒体でもでも業界紙やタウン情報誌には 無料版が多数あるので 今後この動きが 旅行雑誌 とか 食品雑誌 など 広告が取りやすい雑誌に広がっていくと思います。

書籍
同じく 出版科学研究所のデータによれば 2007年度の書籍販売額は約9000億円です。 しかしながら 書籍(小説など)では 広告付き小説という手法が現在は存在しないので この分野での広告収入はないと思います。 そこで書籍にも広告を載せるとすれば 書籍は雑誌の75%の売上規模(雑誌1.2兆円:書籍0.9兆円)なので 3400億円(雑誌広告4600億x75%)ぐらいの広告料が期待できそうです。 

3400億円の広告費は書籍売り上げ9000億円の30%ぐらいの数字なので 現状の著作料%である7〜11%と比べると大幅に高いので 書籍に広告を追加すれば無料配信はやはり可能だと思います。  さらに広告付き書籍という分野が成立するならば 小説の元原稿に 広告情報をブレンドしてダウンロードする という新ビジネスも出てくると思います。 

TV放送
民間TV放送は現在でも 全て広告で賄われているので 問題なくWEB配信化できると思います。 というか 広告を出している方から言えば WEBにも載せた方が広告に接する機会を増やせるので 広告媒体としての価値は増えるので 広告スポンサーはWEB配信化をPushする側になります。 

しかし一方マイナス要因としては WEB放送が一般化する事により映像の提供という意味では公共の電波を使った放送との差がなくなります。 この結果現在電波枠という既得権益に守られて高額になっている広告掲載単価が大幅に下落します。しかしながら 広告収入のコンテンツ製作者への還元方式は既にYouTubeで始まっていて WEB無料TVもITMedia オリタナティブBlogの 大迫さんによれば 米国huluで始まっている様なので今後はいやおうなくこの方向へ進んでいくと思います。

非常にラフな推測で間違いもあるかもしれませんが 結果として 新聞・雑誌・書籍・映像はいづれも 広告付きでデジタル配信可能だという事になりました。 ただしこの検討は 以下の2つの前提があります。

  1. 大部分の情報消費者がデジタル配信された情報を再生するプレイヤーを所有していて 紙媒体なしでも現在程度の 読者数や視聴者数をかせげる。
  2. デジタル新聞・デジタル雑誌・WebTVによって 雑誌や映像の流通が現在より圧倒的に容易&安価になるので 流通する情報量も圧倒的に増えると思う。 これは流通する情報あたりに換算すれば それを 読んだり 見たりする人が減少するという事であり 広告効果の面から見れば効率が下がる事になり 結果的に広告出展単価を下げざるを得なくなる。
        
    TVや新聞など 流せる電波枠がない事 や 物理的な紙面が限られている事で 広告出展単価が吊り上っている業界では 情報提供パイプが太くなる事で 大幅な単価下落が発生すると思うが 今回は その影響を考慮していない。 この影響は TV と 新聞では大きいが 書籍や雑誌では元々興味がある人がお金を出して 書籍や雑誌を購入していたので 影響は少ないと思う。

条件2は実際にデジタル配信が普及しないと どうなるか解らないのですが 条件1に関しては これを成立させるという意味で 個人がいつでもどこでもデジタルのまま情報を消費(読む・観る・聞く・話す)できる様にする 汎用携帯情報消費マシンが世に出て普及する事が この変革が始まるきっかけになると思います。 

デジタル化 無料配信化というと すぐ世の中が騒がしくなって やれ著作権だとか 規制だとか 大上段に構えてしまって何も進まなくなってしまいがちですが 騒ぐ事でデジタル配信にチャレンジする新規参入企業のヤル気をなくすという事が既得権益者の一つの作戦の様な感じがします。

日本レコード協会の 2007年度の 音楽+音楽ビデオ合計売り上げが 3900億円なので 新聞2.3兆円 出版2.1兆円 放送関係2.8兆円 合計7.2兆円は 音楽市場の19倍の市場規模になるので これらのデジタル配信は音楽とは比べ物にならないインパクトがあり 私達のライフスタイルも大きく変化すると思います。

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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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