最終更新時刻:2009年11月7日(土) 10時00分
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ネットブックとは何だったのか

公開日時:
2009/06/14 23:14
著者:
tobitani

まず言葉の定義をはっきりさせましょう。ネットブックとは、昨年春に米インテル社が提唱したカテゴリです。インテルによれば、これはノートブックとMID(Mobile Internet Device)/UMPC(Ultra-Mobile PC)の中間に位置するもので、8〜10インチ画面の、インターネットに特化した機械となっています。重要なのは、インテルはこれをノートブックとは違うものであると主張していることです。インテルの狙いは、数年前レベルのCPUを値下げして新たな分野を開拓し、新たなユーザー層を獲得することでした。

しかし現実にネットブックと呼ばれているものは、ほとんどそのように使われていません。象徴的なのがOSですね。インターネットに特化するならLinuxでも良いはずです。ブラウザはFirefox、メールはThunderbirdという立派なソフトがあります(ちなみに私はWindowsでもこの両者を愛用しています)。でもほとんど誰も使ってませんね?だってWindowsがちゃんと動くんだから。Linuxでは普段Windowsで使っているソフトが動かないし、値段もそんなに変わらないから、みんなWindowsを使いますよね?そして、そういう使い方をするかぎり、それはノートブックであって、ネットブックではありません。

コレが売れた理由は、ズバリ安いからです。コレを買っているのは、自分や妻や子供用にパソコンを買い増ししたいけど高いなあ、と思っていた人たちです。今まで自分用のパソコンを持たなかった女性や子供がコレを使うようになった、という意味ではインテルの狙いは半分当たったのかもしれませんが、既存のパソコンへの影響は避けられませんでした。コレのシェアはノートパソコンの3分の1に達したと言われています。そして、エントリーモデルはもう今までような値段では売れず、コレと同程度まで下げざるを得なくなってしまいました。

実を言うと、私はもっと大きな影響があるのではないかと予想していました。もしかしたらパソコン全体の半分くらい食っちゃうんじゃないかと。読み違えたのは画面サイズです。私は12インチくらいのコレがすぐに出てくると思っていました。なぜなら市場がそれを求めるから。やっぱりですね、10インチじゃ小さいんですよ。パソコンが小さいのは良いんだけど、画面が狭いのは使いづらいなあ、というのが正直なところじゃないでしょうか?やっぱりパソコンとして使うのなら12インチ、最近は横長だから13インチくらいは欲しいところです。もしもそれくらい大きいのが一般的になってしまったら「あ、コレ一台で十分じゃん」ということにみんな気づいてしまうんじゃないかと思ったわけです。しかしそれはインテルが断固阻止しました。コレがなぜあんなに安いかというと、インテルが大幅に値下げしてCPUとチップセットを供給しているからです。そしてマイクロソフトも、Linuxの普及を阻止するためにこれまた大幅に値下げしてWindowsを供給しているからです。しかしこの値下げには「画面が10インチ以下であること」などの条件が入っています。つまりパソコンメーカーが大画面にしようと思ってもコストが跳ね上がるので安価にできない仕組みになっているわけです。

しかし今年に入って状況は変わってきました。今度のインテルの狙いは薄型ノートです。13インチくらいで薄型軽量のノートは割高なので日本以外では売れていないのですが、それ向けにCore 2 Duoを安価で供給し、8万円台の薄型ノートが誕生することになりました。さらに今年はWindows 7が発売されます。マイクロソフトはWindows XPの供給を停止し、現在ネットブックと呼ばれているものにもWindows 7を供給するでしょう。これはWindows Vistaよりも動作が速いと言われていますが、Windows XPより速いはずはないので、ネットブックと呼ばれているものには不利になります。

私は今年のクリスマスごろには、Windows 7が軽快に動く薄型ノートが7万円くらいで買えるようになるんじゃないかと楽しみにしています。2万円の差は大きいのでネットブックと呼ばれるものも急に消えたりしないと思いますが、徐々にフェードアウトしていくのではないかと思っています。そもそもネットブックなどというものは初めから存在しておらず、ただものすごく安いノートブックがあっただけですから、いずれこの言葉は誰も使わなくなるでしょう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

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あなたの記事に大部分同意ですが、ひとつだけ。
本記事は最近、若者や女性を中心に増えている新世代のユーザについての実情を反映していないのではないでしょうか。

以下は、僕の個人的な経験です。

「ケータイ」ユーザがスマートフォンでなくネットブックを買うという光景に去年からさんざんつきあわされてます。なんか詳しいとか思われてるらしくて姉経由で連れ出されるのです。
彼らは我々PCユーザが考えるほど、10インチ以下の画面を小さいとは思ってない。むしろ「ケータイより大きくて見やすい」と言う人すら珍しいものではないようです。

んで、12インチ以上はその筐体の大きさを知ると大抵引きます。
重いから嫌なのかと思って軽いモデルを薦めたこともあるんですが、違うんですね。その理由は
「こんなデカイとバッグに入らないじゃん!」
でした。
薄かろうが軽かろうが、まずあの大きさが許せないようです。

彼らを一般的でないと切り捨てるのは簡単だ。
でかい画面の方が見るのは楽に決まってる。

だけど、彼らもそうだけど僕も13インチ以上はもうしょって歩きたくないので、その点だけは彼らに同意です。
でかいモニターが欲しいのは、家でのんびりコードいじる時くらいですし。

では。

  e133n33 on 2009/06/15

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