去年iPhoneが登場したとき、私は「期待はずれ」と書きました。ボタンの感触がないタッチスクリーンだけでは電話としてどうか?ソフトキーボードは揺れる車内でメールを書くのにどうか?というところで、ちょっと万人に勧められる製品じゃないなと思ったからです。その後発売されたiPod touchはもちろん購入しました。そして今年の2008年7月11日に、ついに日本でもiPhoneが発売されることになりました。巷ではいろいろと話題になっているようですが、ここでは「タッチパネル端末」としてのiPhoneに焦点を合わせてみようと思います。個人的には全面タッチパネルが最適とは思っていませんが、iPod touchの使い勝手がとても素晴らしかったし、iPhone 3Gではテンキー入力方式も加わったのでまあ良しとします。
何よりも素晴らしいのは、ペンを徹底的に排除したところです。ペンはあったほうが良いと考える人もいるかもしれませんが、それは悪魔の誘惑というものです。ポケット機器は画面が小さいので悲しいくらい少ない情報しか表示できません。だから画面デザイナーはなるべく多くの情報を詰め込もうとして文字を小さくしたがるし、老眼じゃないユーザーはみんなそれを歓迎します。でもそのおかげでボタンも豆粒のように小さくなり、指では操作できなくてペンの登場となるのです。しかし手書き文字を書くならいざ知らず、ボタンを押すのにペンが必要な画面は決して使いやすくありません。間違って隣のボタンを押したら思いもよらぬことをやらかし、あなたのストレスを増大させるでしょう。だからこそスティーブ・ジョブスはペンを排したのです。画面にたくさん情報を詰め込む誘惑を退け、すべて指だけで操作できるようにしました。
たとえばフリックという新しい操作を編み出し、パソコンでも嫌がられているスクロールバーを排除しました。リストの端に達するとビョ〜ンと伸びますが、あれはただ面白いからやっているのではありません。ああいう表示をしないとリストの端に達したのか、操作を間違えたのか、画面が固まって動かないのか見当も付かないからです。「操作しても何も動かない」というのではダメなんです。それにツールボタンとかいう、いかにもありがちな画面を狭くするものもほとんどありません。拡大/縮小ボタンなどというものはなく、ピンチイン/アウトで直感的に操作するのです。そして驚いたことに、思ったとおりに画面が動きます。つまり、画面が指の動きに付いて来てくれるのです。これはハードウェアの進化の賜物ですね。
それから一番重要なことは、操作を間違えないことです。たとえばリストをスクロールさせようとして指で触った曲を再生してしまったら腹が立ちませんか?「操作したら間違ったことをやらかす」のは最悪なんです。でも、それを防ぐにはフリックとタップの微妙な違いを感じ分ける能力が必要です。iPod touchはその点、見事の一言に尽きます。
そしてそれらの集大成とも言えるのがSafariブラウザです。本来ポケット端末にはケータイサイトのような小画面むけWebページが必要で、パソコン用Webページを見ようとしてもぜんぜん実用に耐えないのですが、Safariブラウザはそれを可能にしました。まずはWebページ全体を縮小表示し、読みたい部分だけピンチアウトで拡大。フリックで上下左右自由にスクロールして読むことができます。
iPod touchを使ってみて感じたのは、ここまで考え抜かれた操作性を実現したポケット端末はいまだかつてなかったということです。iPod touchでは無線LANしかなかったのですが、iPhone 3Gならどこへ行っても使えます。前述のとおりテンキー入力もできるようになったので文字入力も何とかなる。これは世界で初めて誕生した真のポケットモバイルなのかもしれません。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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