最終更新時刻:2009年1月9日(金) 6時31分

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近くて遠きもの、プログラマからクライアントまで

公開日時:
2008/10/03 10:12
著者:
吉澤準特

IT業界でデスマーチといえば、当初計画の無理がたたって膨大な残業を生み出しているプロジェクトを指しますが、これについて秀逸な皮肉記事があったので紹介します。

 

1. プログラマーからシステム・エンジニアへ

「このプロジェクトは無理です。大きなデザイン変更を強いられる上、うちのチームにはこのシステムのデザインについて知る者は誰もいません。それにうちの会社にこのアプリが書かれた言語を知る人もいません。個人的な見解を申し上げますと、当社でこのプロジェクトを絶対に引き受けるべきではありません。」

2. システム・エンジニアからチーム・リーダーへ

「このプロジェクトはデザインの変更が必要で、現在うちのスタッフに経験者はおりません。言語も見慣れないもので、この仕事を引き受けるなら、そのための研修が必要だと思います。個人的な見解を申し上げますと、こういったタイプのプロジェクトを引き受けるには準備が十分ではありません。」

3. チーム・リーダーからプロジェクトマネージャーへ

「このプロジェクトはデザイン変更がシステム内で必要で、私たちはこの案件に対する専門的な経験がそれほどありません。さらに社内にあまり多くの人が相応しい研修を受けていません。個人的な見解を申し上げますと、通常より完成には時間が要するものと思われます。」

4. プロジェクトマネージャーからシニアマネージャーへ

「このプロジェクトはデザインの再構築が必要です。幾人かは経験があり、数人は実装言語がわかります。なのでわかるものが他のものを研修させればいいかと思います。個人的な見解を申し上げますと、このプロジェクトは要注意ですが引き受けるべきだと思います。」

5. シニアマネージャーから社長へ

「このプロジェクトは我々がレガシーなシステムのデザイン変更が可能だということの、業界へのデモンストレーションとなるでしょう。プロジェクトを成功させるために必要なスキルと人材はそろっており、数人はもう自宅研修が終わっています。個人的な見解を申し上げますと、どんな状況においてもこのプロジェクトを逃すべきではありません。」

6. 社長からクライアントへ

「私どもはこの手のプロジェクトのエキスパートです。現在まで多くの似たようなプロジェクトを、多数の大手クライアントさん向けに手掛けてきました。この種の仕事は他社に負けません、ぜひとも我々にお任せください。個人的な見解を申し上げますと、このプロジェクトは我々なら期限以内に仕上げられます。」

(記事引用)
http://news.livedoor.com/article/detail/3840678/
http://www.laughitout.com/2008/09/bottom-up-approach.html

 

こういったコミュニケーションが行われている会社、かなり多いのではないでしょうか。

最も現場寄りの人間が「困難だ」と言っているのに、それをインポッシブル(不可能)ではなくディフィカルト(難しいけどできないことはない)というニュアンスで捉え、後は都合の良い思考に流されて導き出された結果が前述の1〜6です。

IT業界で営業サイドに近い仕事をしていた方は、こういった流れを一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

ところで上記の流れはプログラマーから見たマネジメント層への皮肉であり、問題提起と捉える事も可能かもしれませんが、実は逆のパターンが起きるケースもあります。

マネジメント層が「やるべし!」とシュプレヒコールをあげても、現場が冷え込んだ状態で、

「おいおい、また余計な仕事が増えちゃうよ」

という後ろ向きのスタンスを持つ人が多い職場もありますよね。組織というものは変化を望まずにあがなう性質があり、ある程度は仕方のないことではありますが、状況認識に乖離があるという点では冒頭のプログラマーの悩みをクライアントが持つ訳です。

そうすると、業務要件が反映されていない使えないシステムのできあがるのは皆さんも経験でご理解頂けると思います。

以前のエントリーで紹介したこちらの話ですね。
http://weblog.cemper.com/a/200309/09-typical-project-life.php

このような壁を乗り越えるためにも、顧客と積極的にコミュニケーションできる人間がソリューションプロバイダーには必要であり、それがコンサルティングという業務のニーズ拡大につながっています。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

2

知人の話ですが
 今月2次受けの面接に行ったとき、

営業に来てた話)
フレームワークA、Bの開発経験者

1次受け面接での話)
フレームワークA、B,C,Dの開発経験者
1次受けの会社にはAの経験者はいるがBの経験者は居ないので
そのフォローもして欲しい。

携帯サイトの仕事もあるのでそっちも即興でフルスクラッチで遣って欲しい

発注元面接での話)
50名くらいのマネージメント経験者じゃないと困る
10名程度のリーダー経験者じゃ一寸ね

このぐらい話が違うので、成約させるのも大変困難なんだそうです。
(で、この仕事の納期が来年の頭)


 案件に対して、
「条件フルマッチの技術者を探そう」としますし
「それ以上の物も求めよう」
とするので、そういう人を現場に入れようとする事自体無茶だよなー

と聞いてて思いました。

  きむこう on 2008/10/03

1

吉澤さんがご指摘の
>最も現場寄りの人間が「困難だ」と言っているのに、それをインポッシブル(不可能)ではなくディフィカルト(難しいけどできないことはない)というニュアンスで捉え、
私は20数年前より「同じ事を言うのでも、現場と営業の言葉尻が違う」と思ってます。
これらの問題で、びっくりした事や非常に困った事など枚挙にいとまがありません。特に問題は6.ですね(笑)

  朝之丞 on 2008/10/03

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