最終更新時刻:2009年1月9日(金) 10時28分

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ITIL準拠という幻想

公開日時:
2007/05/03 00:10
著者:
吉澤準特

IT業界に身を置いている皆さんは、「ITIL」が何かご存知と思います。もしまだ知らない、
もしくは忘れてしまったという方がいれば、急いで次のリンクをチェックしてください。
"http://it-ura.seesaa.net/pages/user/search/?keyword=ITIL">http://it-ura.seesaa.net/pages/user/search/?keyword=ITIL

さて、ITILと言えば、これからのシステム運用の常識になると言っても過言ではないほど、
現場から熱い視線を浴びているホットトピックですが、いささか過剰な反応であるように思えます。

まず一番多い誤解が、「ITILを導入すればすぐハッピーになれる」という幻想です。ハッキリ言いますが、ITILを導入すると、
短期的には現場はアンハッピーになります。

なぜか?

新しい仕組みを導入するということは、既存のオペレーションプロセスを変更するということです。
それによって生じる変化は現場のやり方を一時的に混乱させてしまうのです。

分かりやすい例を挙げましょう。

ちょっと腕を胸の前で組んでみてください。人によって右腕が上になったり、左腕が上になったりしていると思いますが、続けて、
上になる腕が逆になるように組み直してみましょう。

どうですか、なんとなく違和感を感じますよね?腕を組んできることに違いはないのですが、意識して逆に組むと、
なんだかしっくりきません。

システム運用も同じで、ITILというルールを導入すると、運用業務の細部にまでITILルールが影響してきます。特に、
インシデントという考え方がこれまでの運用に欠如していた組織では、現場が感じ取る違和感は強烈であり、
時として反発を招くことに十分留意することが必要です。

さて、もう一つITILに関する幻想があります。 それは、ITILが定義している全てのプロセスについて、
対応するガイドブックや解説書が存在すると思っていることです。

ITILはあくまでノウハウ集であり、具体的なマニュアルではありません。ですから、実施すると望ましいことは定義されていますが、
具体的に何をどうしろ、というアクションが明記されている訳ではないのです。

これらを履き違えると、ITILを導入してもマイナスポイントばかりが目立つようになり、せっかく導入したのに、
運用現場の効率性は下がる一方だということになってしまいます。

流行りものということでITILに飛びつく前に、まずはよく中身を知ってから、導入に向けたアプローチを、
運用組織全体で考えていくのが好ましいでしょう。

組織内である程度検討が進んだら、経営層も含めてITILの財務管理や業務継続性の議論にも取り組むとベターです。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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