2000年問題と言えば、IT業界における近年最大の危機として取り沙汰されていました。
過去に作成したプログラムに、年数を二桁データでしか保持していないシステムが多数あったために、
誤動作による社会的な影響を懸念しての大騒ぎでした。表面上は何事もなかったかのような報道がなされ、政府に至っては、
「何も問題は起きませんでした」という宣言さえしましたが、実は裏側で数多くの技術者が泣いていたことは、あの時期、
システム運用に携わっていた人間には周知の事実ですね。
話が逸れましたが、今回、2000年問題に匹敵するイベントが北米で発生するようです。その名も、「サマータイム延長問題」。※
正確にはDaylight Saving Timeと米国では呼ばれています。
事の発端は、2005年夏に米国でエネルギー政策法(2005年エネルギー政策法)が制定されたことに拠ります。この法の中で、
年間エネルギー消費量を少しでも抑えようと、従来から定めていたサマータイム期間(4月第1日曜日午前2時?10月最終日曜午前2時)を、
開始時期を3週間繰り上げ、終了時期を1週間繰り下げ、実質1ヶ月の期間延長することが定められました。※カナダも追随しています。
さて、何が問題なのでしょうか?
よく考えてみてください。ある時期になるとシステムのタイムスタンプを1時間早め、それから8ヶ月後には、
また1時間遅らせるというオペレーションが実装されている北米中の全システムについて、ルールの変更を行わなければならないのです。
対象となるシステムの中には、「3月のこの時期に1時間早め、10月のこの時期には1時間遅らせる」というロジックを、
プログラム中にベタ打ちしているものもあることでしょう。これらについて個別に対応しなければならず、
その確認と修正のために膨大な作業と巨額の改修費用が発生しています。
そして、もう一つ、こちらの方が深刻なのですが、
今年から米国及びカナダに限ってサマータイムが変更になるという事実をハッキリ認識している人がどれだけいるのか、という問題があります。
グローバルで活動する企業の中でも、この事実を認識している方はかなり少ないというのが私の実感です。このような状況では、
「3月のあるとき、北米から送信されてくるデータが全て1時間ずれており、日本にある処理サーバが誤動作を起こした!」
ということが本当に起こりかねません。
また、今回のサマータイム変更にメキシコは影響しませんが、システムの中には、
メキシコの標準時間を米国の設定で代用しているものもあり、それに関するトラブルも発生する恐れがあります。
IT業界としてみれば、これらは全てビジネスチャンスと捉えることができますが、現場で働く人々にとってみれば、
振り回されるだけで迷惑もいいところというのが正直な感想ではないでしょうか。
参考までに、サマータイムに関する調査資料をご紹介します。興味のある方はご覧下さい。
(北海道におけるサマータイム実施結果報告:札幌商工会議所)
→
"http://it-ura.seesaa.net/article/33125979.html">http://it-ura.seesaa.net/article/33125979.html
(サマータイム制度導入に向けた環境レポート:日本総研)
→
"http://it-ura.seesaa.net/article/33127273.html">http://it-ura.seesaa.net/article/33127273.html
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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