IT業界の流行コトバの一つにアウトソーシングというものがあります。言葉が出てきてから既に数年が経過しており、
すでに市民権を得た用語だと思いますが、一応定義の確認をしておきましょう。
次の説明は野村総研のサイトに書かれていた表現です。
アウトソーシングの目的は、外部の専門企業の活用により、
「設備投資負担の軽減」「自社の資産・人員の圧縮」「業務の迅速化」「固定費の変動費化による需要変動への対応」
「自社得意分野への経営資源の集中」などを図ることです。
その結果「総資産利益率などの経営指標の改善」「生産性の向上」
「競争力の向上」などの実現を図ります。
なんだか良さそうなことが色々書いてありますが、
こういった聞こえの良い言葉の裏には後ろめたくて口には出せない話が数多くあるのをご存知でしょうか。
例えば、自社資産・人員の圧縮をアウトソーシングの現場で行うことを考えてみましょう。
ITアウトソーシングにおける自社資産の圧縮とは、ハードウェアやミドルウェアのリース化を進めることで、これに人員圧縮を絡めると、
運用保守の外部委託化を進め、これまで保守要員としてきた社員の配置換えを行う、もしくは子会社へ転籍、
下手をするとお役御免にするということが行われたりします。
システムアウトソーシングとは、企業にとっては費用が発生するITサービスに過ぎませんから、当然コスト削減の圧力は強くなります。
アウトソーシング先の会社をベンダーなどと合弁で立ち上げるところもありますが、そういったところは、
自社の情報システム部門の人間をアウトソーシング先の会社に出向させることが多いですから、
委託元と委託先の担当者が顔見知りということも手伝って、一層のコスト削減圧力を受けることもあったりします。
自社の得意分野に経営資源を集中するなんてお題目を唱えられた日には、
情報システム部門が丸ごと外に切り出されることにもなりかねません。一方で、そういった外部に頼ったIT戦略を推し進め過ぎると、
社内に情報インフラのノウハウがまったく蓄積されず、今度は逆にアウトソーシング先から足元を見られているところもあります。
確かに正社員一人を1年間維持するためには多くの費用がかかります。ある調査機関の調べでは、
派遣社員を同期間雇用した場合よりも倍近い費用が必要であることが述べられています。ですが、一度流出した社員、
そしてノウハウを取り戻そうとすれば、少なくとも数年は必要でしょう。安易なアウトソーシングに走って、
その結果自社の体力を削ってしまうということがないよう気をつけたいものです。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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コメントありがとうございます。ひまわりと月見草分析、とても分かり易く整理されていますね。コア性とミッションクリティカル性を軸に考えるとヒューマンリソースの集中をどこに図るかが良く見えてきます。
トラックバックエントリーで「アウトソーシングがコスト安になるわけではない」というご意見がありましたが、誰がやっても変わらない領域をアウトソーシングしようと考えるクライアントが多いため、結果として現状よりコストが安くなるアウトソーサーを探してお願いすることになるのだと思っています。ノンコア領域であろうとも、自社の人間でまかなった方がトータルコストが安くなるなら、アウトソーサーの出番はないのではないか、と思うのですよね。