日本版SOX法(金融商品取引法の一部)対応を本格化させる企業が増えていますが、経営者が消極的なまま、他人事であるかのように取り組んでいるところも多いようです。
企業会計審議会内部統制部会の部会長(八田進二さん)も、
「内部統制は経営者が主人公となって行わないといけないが、実際は部下やコンサルティングファームに対応を任せる『経営者不在』『第三者依存』が蔓延している」
と述べています。
この法律、何のためにあるかといえば、経営の透明性を高めて企業不正が発生しないようにすることが目的です。
ですから、まず、経営者の意識改革、次いで仕組みを作り、最終的には現場の意識を変えていくのが道理のはず。
それが、肝心の経営者が人任せにSOX法対応を進めているのですから、これでは現場にもたらされるのは、作業負荷を増大させるだけの義務からくるルールだけでしょう。
ちなみに、最も負荷がかかるのが文書化です。必要最低限の文書として、次の3点が挙げられます。
・フローチャート
・業務記述書
・リスクコントロールマトリクス(RCM)
これををレビューして運用テストを行えば、1プロセスあたり0.5人月かかるというのが大手監査法人の見解です。
ですから、100プロセスで50人月、1人月100万円なら、なんと5000万円が必要になるんですね。
複雑な業務を抱える企業は、必要費用も跳ね上がるでしょう。
話を戻しますが、経営者が第三者に頼りすぎる状況を、IT業界では、『クライアントに食い込む好機』と見ています。
業務記述書やフローチャートを作ることで、その会社の業務を理解できるようになるのですから、そこからその企業の問題点(システム的なものを含む)も浮き彫りにすることだってできます。
うまくやれば、クライアントと包括的なパートナー契約を結ぶことも可能ですしょう。
特に、大手ベンダーは、これまでコンサルティングファームに独占されてきた企画立案フェーズの参画が可能になるため、ベンダー各社の経営層や営業は今が必死の時期だと思います。
1年後、業界の勢力図が若干変わるかもしれませんね。
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