一般にシステム開発は建築業との類似性で語られることが多いが、本当だろうか。
建物が竣工されると、そのメンテナンスに入るのはいつだろうか?
重大な欠陥が無い限り、数年先ではないだろうか。
ところが、情報システムではカットオーバ、リリース直後からメンテナンスが入る。開発は続くのである。
2階建ての木造家屋が、次の年には3階建ての店舗になってしまうようなものである。屋上屋を重ねるというものであろうか。
見えない、場所を取らないというのは便利であるが、困ったものでもある。
こういった現状に対処しようというのが、EAであり、システムの「見える化」である。
建築図面なら、設計図面、概観、現場図面などで再現性を「全国的に業界的に」担保しているが、情報システムにおける設計ドキュメントは、個別企業別のお作法によって書かれているため、担保している情報が少ない。
これは、情報システムが入札制度も確立されておらず、前近代的な手作り、マニュファクチュアリングから抜け出せていない事由でもあろう。
しかし、個別企業別のお作法によって書かれていることは、顧客の囲い込みに役立っている。SIerのしていることは基本的にそういうことなのである。
EAやシステムの「見える化」は、「全国的に業界的に」統一したドキュメント体系を持とう、ということでもあるのだ。
ただ、体力のある企業は90年代末からERPパッケージを導入して、基幹業務の標準化を行ったように見える。2000年問題を口実に導入した企業も多い。
これは一種の「見える化」であった。
ここでの落とし穴は、報告される導入事例は「必ず成功」しており、「必ず改善効果」が出ているということである。失敗事例は報告されない。
「見える化」から漏れた、数多くの周辺システムについては語られることが少ない。
IT業界はまた流行の言葉を追いかけ始め、EAもどこかへ飛んで行ってしまっているようだ。
web2.0でも良いが、足元を固めるということをやらずに、新技術というのはどうなのだろうか。コンセプトばかりが先行し、実態が付いて行ってないのではないか。
建築業が類似の業界だなどというのは、100年早いのである。
失礼極まりないというしか無いであろう。
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