IDC Japanが2008年の国内中堅・中小企業のIT投資の市場規模の予測を発表しました。CNETニュースに記事として出ていましたが、順調な市場規模拡大を予測しております。IT投資の重点分野は「セキュリティ/コンプライアンス強化」に加えて、「市場分析」や「製品/サービス開発支援」が挙げられていると書いていました。これは非常に面白いと感じました。恐らく、従来のIT投資発想とは異なる領域がIT業界に求められているのではと感じます。特に市場分析や製品/サービス開発支援は私たちのコンサルティング領域に近いのでは思います。市場分析を支援する道具としてのITという位置付けかもしれませんが、そうした発想でビジネスを行なう企業は、これからのマーケットで置き去りになるかもしれません。顧客のニーズを深く捉え、自社の事業領域を動かせる企業が時流に適応するでしょう。
ある大手企業の幹部と話をした時の事です。何故日本のマーケットではパッケージが発展しないのかという話題になりました。その方の着想は確かにその通りでした。アメリカは人材が流動化する事を前提に、業務に人が付くという発想を持っています。しかし、日本では終身雇用を前提としたスペシャリストの多い組織でした。すると、人に業務が付くという状態が常態化していました。これがパッケージでは適応できず、オーダーメイドシステムが出来上がってきた要素だと話されていました。しかし、今の日本では団塊の世代の退職と流動化する人材によって、アメリカ型に近いマーケットが生まれつつあります。その流れから、企業側はパッケージの積極採用を考えるようになっています。これは大きな流れの一つです。
今後はますますパッケージへの要求とSaaS等のネットの向こう側からのサービスが台頭してくると思います。これからのマーケットでは標準化がキーワードとなるかもしれません。中堅・中小企業の現場では、まだまだ人に仕事が付いています。オーダーメイドへの欲求が無くなる事は無いとは思いますが、そうした現場の声を集めて、安価なソリューションモデルを提供できる企業であれば、こうしたマーケットでは勝ち残っていけると思います。
IT業界とは流行りを作り続けて生きてきたマーケットです。新しい流れを考え、顧客の予算感覚を狂わせて、市場規模を維持・拡大してきました。今回もSaaSが流行ればSaaSがキーワードになりますが、それはあくまでもソリューションの提供形態の総称でしかありません。顧客企業もそうした流行りに惑わせれてきた歴史から、本質を見抜く力を持ち始めています。
パッケージであろうが、SaaSであろうが、本質的に大切なのはその向こう側にいるお客様です。どんなビジネスもお客様のいない無人の孤島では何もする事ができません。パッケージやSaaSという言葉が流行になればなるほど、また顧客不在の状態になりそうで怖いと感じます。これからは日本のマーケットが縮小していきます。混乱の時代には中堅・中小企業がトップに躍り出るチャンスの時代でもあります。恐らくIT業界にとって中堅・中小企業にとって重要なマーケットになります。しかし、その流行りに惑わされて、お客様への価値提供という本質論を忘れてしまうと、お客様の心を動かせずにチャンスを失ってしまいます。流行りを冷静に見つめながら、自社の立ち位置とお客様への思いを忘れない事が大切です。(メールマガジン【ソフトハウスのための幸福経営論】も発刊中!)
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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