「長島さん、最近作らないシステム開発という流れが来ているなと感じるんです」ここ数年で素晴らしい業績を上げ続けている経営者の方と雑談をしている時にでて来た言葉です。これまでは作る事を前提としたシステム開発が主流でした。しかし、少しずつ業界で実しやかに噂されているのが、作るという行為をなるべく無くした新たな開発の潮流が来ているというのです。確かに、そういった環境を証明する様な幾つかの事象が起きています。SaaSが急速に時流の本流として姿を現そうとしています。また、オープンソースの流れも確実にその時流をフォローしています。開発環境を助けるツールの進展も、やはりなるべく作らないという状態を意識していると感じます。
NECがSaaS事業に本格的に参入したと日経の田中克己氏の記事に掲載されていました。これは非常に面白い状況となってきました。SaaSモデルは薄利多売のモデルであり、ただし損益分岐点を越えると収益性が非常に高まるモデルもであります。しかし、大手がこれまで手掛けてきた大型案件を獲得するビジネスモデルとは根本的に異なっています。どうも発想としてはSIとSaaSを組み合わせて、これまでよりも少ない人数で多くの案件をこなしていくという考えのようです。SaaSのマーケットはまだまだ強いプレーヤーも少なく、どちらかと言えば中堅・中小企業向きのビジネスモデルだと感じていました。しかし、こうして大手企業がSIの補助ツールとしてSaaSを利用すると発想してきた事も、正しく作らないモデルの事例だと感じました。
私が作らないと言っているのは、あくまでも顧客のニーズに対して全て手組みで構築するという開発に対してであり、技術者のニーズが無くなる訳ではありません。しかし、本当の意味でのSEと呼ばれる人の人数は限られてくると思います。前回のブログでもフロー状態についてお話しました。こうした状態に入る為には内発的動機に裏付けられた動きが必要です。前にもお話しましたが、本当の意味で創意工夫ができる技術者は、自由闊達で愉快な職場環境が提供できる会社で研究開発部門として力を発揮する事になると思います。圧倒的に世界観が変わるのです。
営業のあり方も変わるでしょう、より私の様なコンサルタントとしての視点が求められると思います。顧客企業の業績向上に寄与する為に、あらゆるソリューションの中から最適解を導き出す能力が営業に必要な力となると思います。船井幸雄は今後の時流の中で【互助共生化】というキーワードを教えてくれました。これもまた、作らないソフトウェアにおいて非常に大切なポイントです。マーケットは縮小します。マーケットは細分化されます。1社で独占するのではなく、多くの企業が協力してマーケットで共生していく、そんな発想が必要になります。緩やかな繋がりの中で、お互いの技術者が交流し優れた価値を生み出す世界。何だか理想郷のようですね。(メールマガジン【ソフトハウスのための幸福経営論】発刊中)
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