昨年は請負契約をしながら実態は派遣という問題が業界を賑わしました。報道の大きさの割には、業界内ではやや収束した感が否めません。この問題、上場企業の場合は内部統制関連で対応せざるを得ないので、単独の課題としては注目されなくなったのかもしれません。
それよりも今の業界を騒がしている問題。これが工事進行基準への対応です。これは案件の規模の基準以外、企業規模や上場の有無に関係なく適応される会計基準です。日経ソリューションビジネスでのセミナーでは満員御礼で急遽第2回目が開催されると言う活況ぶり。この問題、やはり再び偽装請負問題にもスポットが当てられる様になります。
そもそも請負契約とは成果物に対する契約となります。準委任契約や派遣契約は労働時間に対する契約となりすので、根本的に内容が異なります。ところが、実態は派遣だが派遣契約が出来ない事実がそこにあります。それが多重派遣の問題です。これは職業安定法違反にも抵触する可能性のあるものです。請負契約の連鎖であれば、派遣契約ではないので労働実態がばれない限り問題視されません。ところが、工事進行基準の適用はこの問題にも再び焦点が集まるのではないかと考えています。
請負契約で契約する以上、何を成果とするのかが決まっている必要があります。その工程に対する原価も確定できるはずです。細かなルールが私にもまだ分かっていないので何とも言えませんが、労働時間ではなく作成物に対する売上と原価投入なので派遣の時間管理での売上では問題になるはずです。特に請負契約を締結している場合には、売上と原価に対する成果を明確にしておく必要があるのです。
内部統制に問題に引き続き、大手SI企業には頭の痛い問題となるはずです。中堅のSI企業で中間マージンを搾取するビジネスモデルの会社も相当な痛手を蒙るのではないでしょうか。中小ソフトハウスも苦しくなります。当然ながら多重派遣が難しくなるので、上流での派遣契約となります。大手企業にとって人月が欲しいというのは、頭ではなく手足が欲しいケースがほとんどなので、なるべく人数が多い派遣企業と付き合うと考えられます。すると、人数も少なく派遣を主体としてきた企業はどこかの傘下に入るか、自力の道を見つけ出すかになります。
ますます合併は進むと思います。しかし、これは旧システムに組み込まれなければ生き残れないと信じる人の思想であって、新たなビジネスの発想を持つ事で道は開かれます。外部環境としてますます厳しさを増す業界にあって、どうすれば自力の道を見出せるのか。選択を迫られるタイムリミットは刻々と近付いていると考えています。
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