最終更新時刻:2009年11月28日(土) 10時00分
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「ネット規制2案」における企業の立場を理解する

公開日時:
2008/04/24 23:08
著者:
McDMaster

 「ネット規制2案」と書いたのは、一つは児童ポルノ単純所持規制法案、もう一つは青少年向け有害コンテンツ規制法案を指したつもりである。前者は、必ずしもネットに留まるとは限らない。とはいえ、どちらもネットと切り離すことはできないため、あえてここでは「ネット規制2案」とする。
 これら「ネット規制2案」が、最近混同される傾向をときどき目にするようになった。

 その典型例の一つに、コデラノブログ 3 のエントリを挙げておく。このエントリは、青少年向け有害コンテンツ規制につき PTA が反対意見を表明したことに触れたものだ。
 ここで、blog の著者である小寺信良氏は以下のように述べている。

あとヤフーと MS は、日本ユニセフなんかに協賛して児童ポルノ単純所持違法化なんかに手を貸してると、こういう場での説得力がゼロなので、なんとかしたほうがいいと思うよ。たぶん広報レベルで「名前貸すだけでなんとなく社会貢献してるっぽいイメージ」ぐらいのふんわりした判断じゃないの? あれ。
ちゃんと考えてさ、辞めた方がいいよ。そういうのは。

 このあたりが、私が言わんとする「混同」である。

 企業たるもの、利潤を上げてナンボである。読者の皆さんは覚えているだろうか。「モバゲータウン」を提供する DeNA の株価が、昨年末の東証一部昇格前後に大暴落した。それは、総務省がコンテンツフィルタリングの方針を公表したまさにそのためだった。
 このように、ネットビジネスを営む各社にとっては、フィルタリングなどのコンテンツ規制制度は自分たちを窮地に追い込む許し難い施策にほかならないのだ。
 一方、児童ポルノの単純所持である。
 これとて Web 2.0 を迎えた各種ウェブサービス運営者にとっては、児童ポルノ・コンテンツが自サービスを提供するサーバに保存(アップロード)されるリスクはある。とはいえ、仮にそれをブロックしたとしても、ブロックするための労力が多少なりに掛かるだけで業績全体に大きなインパクトを与えるものではない。
 いやむしろ、世間的に害悪とみなされている有害コンテンツを排除すべく努力している姿勢を市井に見せられるなら、「社会に貢献する企業」のイメージを与えることが叶うかもしれないという思惑だってあるだろう。
 これを企業利益本位の邪悪なビヘイビア(振る舞い)と捉えるのは誤りである。先にも述べたように、企業たるもの、利潤を上げてナンボなのである。サービスの永続的提供のために、利潤を上げていくことは不可欠だ。社会が害悪とみなすものの排除行為は、CSR の観点からしても歓迎されこそすれ非難の対象とはなり難い。
 小寺氏が指弾してはばからないヤフーとマイクロソフトは、その実、たいへん合理的な企業行動を取っていると言える。

 とはいえ、企業行動が合理的でも、私自身は「ネット規制2案」のどちらにも反対である。もしその理由を書くとすれば、各々につきショートペーパー一本が書けるくらいの意見がある。
 ごく簡単に端折るならば、児童ポルノ単純所持規制については、それが将来児童ポルノ以外のコンテンツに拡大適用されないという保証がないこと、もう一つのコンテンツフィルタリングについては、小寺氏の記事にもあったように、これからの社会を担う子どもたちに向けて本来行われるべきネット教育の機会を奪うものであることといった点を挙げておく。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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