ひろゆきがティム・オライリーに直接きいた、「Web2.0 ってなんだったの?」 - CNET Japan
西村氏:Web 2.0 という言葉については?
O'Reilly 氏:ばからしい名前だよ。ウェブの新しいバージョンだと思っている人が多いし、そういう意味で使ったんじゃないのに。
(中略)
バズワードにはたいてい意味がある。多くの人は Web 2.0 をバズワードとしてしか使ってない。「おれたち Web 2.0 企業さ」とか言って、実は Web 2.0 企業でもないのに。
(中略)
だから、企業が「おれたち Web 2.0 企業さ」って言うとき、私は「どんなデータベース資産を蓄積してるんだい?」って聞くようにしてる。
誰が何と言おうと、少なくとも日本で「Web 2.0」と言えばクールでキッチュ(いささか古い表現で申し訳ないです)な JavaScript (Ajax) ベースの UI を用いた Web システムを指す場合が多かった。
そして、それを実装できる技術力、あるいは関連製品やサービスをマーケット・インできるノウハウ(プロモーション・スキルなど)を持つ企業を安直に「Web 2.0 企業」と読んでいたことも事実だ。
ところが、ひろゆき氏につられるような形(?)で「Web 2.0 の始祖」Tim O'Reilly 氏は冒頭のようにあっさりとそれを否定してしまった。
とはいえ、我々はこれを「ほら見たことか」と蔑む、あるいは Web 2.0 という「バズワード」をいいように捉えていたことを反省するのではなく、あくまでポジティブに捉えなければならないだろう。
Web 3.0 などというずいぶん気の早い浮付いた話は抜きで、もう一度 Web 2.0 を再考した上でその本質に迫れないものか、ということである。
Web 2.0 再考の具体的なアクションを起こす際に、O'Reilly の「どんなデータベース資産を蓄積してるんだい?」という言葉は重要な意義を持つものとなる。
いくら優れた UI を保持していても、優れたデータの蓄積がなければそれは Web 2.0 ではけしてないのだ。
いわゆる日本の「Web 2.0」は、しかしながら、かならずしも優れたデータの蓄積につき惰眠を貪っていたわけではない。代表的なところでは blog をはじめとする CGM を挙げることができる。
CGM を通じ蓄積されたデータが、やがて巨大なノウハウの源泉、つまり「データベース」となることが期待されていたのは事実だ。
とはいえ、先にも述べたように、「Web 2.0」企業はその持てる技術あるいはそれをインプリする能力をコア・コンピタンスに置くこととなってしまった。
そのため、ユーザの視点は失われ、いかに新奇なルック&フィールを生み出すか、あるいは極端なところではいかにインパクトのあるマーケティングを演出できるかという、Web 1.0 時代(O'Reilly の弁を借りれば、20 世紀末のネットバブルのあたりがそれに当てはまるだろうか)と同じ無益な競争に腐心することとなってしまった。
ここまで書いてきたところを殊勝にお目通しいただいた読者の皆さんは、Web 系のみならず有名な企業を思い出したことと私は勝手に想像している。そう、あの大手キャリアである。
私は、Web 2.0 はどんどん商用利用されれば良いと信じている。そう、オープンソースが情報技術のメインストリームに躍り出たように。
しかしながら、それを、つまり商用利用を行うにあたっては、その意義をきちんと理解した上で、おめでたいキャンペーンを打って自己満足に浸るような無様な真似は繰り返して欲しくないと思うのだ。
一方、Web 2.0 を標榜していた新興企業群にも責任の一端はある。彼らは Web 2.0 についての正確な説明責任を果たさず、自らの解釈で勝手に作り上げた「成果物」をユーザにデリバリすることで、Web 2.0 の価値を減ずるという罪を犯した。
彼らが Web 2.0 という武器をもって立ち回るべき本当の相手は、もしかしたらおめでたいキャンペーンを張るような大コングロマリットなのではないか。むろん、ケンカをしろというのではなく、そうしたオールド・エコノミーに対する説明責任を果たした上で、適切な成果物のデリバリを適切なマネジメント・マナーで行うということである。
技術と経営、そしてときに文化も理解できる本当の「Web 2.0 人」が登場することを願い続けてやまない。
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