さすがに、この話題に触れない訳にはいかないだろう。@IT の記事「IT 業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ」である。
既に、本 CNET Japan 読者ブログでも吉澤準特さんが取り上げておられる。
@IT の記事には、「業界の重鎮もたじたじ」とある。そもそもの話としては、これからの情報社会を担っていく学生たちに「重鎮」たちとやらがたじたじしているようなら実に足元おぼつかないのでは?という点を指摘しておかねばならない。
こういう体たらくでは、記事にもあるように「学生 10 人のうち・・・2 人は『絶対に嫌』という回答」が得られたとしても致し方ないだろう。
これだけでも、「重鎮」たちは将来への期待あふれる学生たちを裏切ったとするに十分だ。
「重鎮」たちの顔ぶれで私が個人的に興味を持ったのは、「自身ではメインフレーム開発しか行ったことがないという NTT データ 取締役相談役で、情報サービス産業協会 会長の浜口友一氏」という部分である。
このごく短いプロフィールだけを見ても、何だか実にあべこべ、あるいは自家撞着と私は捉えざるを得なかった。
というのも、メインフレーム開発しか行ったことがないと半ば自慢げに(たぶんそうだろう)いけしゃあしゃあと抜かす「重鎮」が情報「サービス」を語るなど片腹痛い、ということだ。
情報システムのサービス化に、メジャーな企業の立場で先べんを付けたのはルー・ガースナー時代の IBM だと言われている。「そのパワーチップとやらはポテトチップよりもおいしいのか?」というフレーズはあまりにも有名だ。
その後の IBM は、PC 事業や HDD 事業を次々に売却、一方 PwC コンサルティングを買収して IBMBCS としたのは知っての通りである。そしてさらに、そのやり方が IBM をまさに業界の「重鎮」に持ち上げたのだ。
対する、日本の「重鎮」たちが属する企業群である。ちょっと Google を用いネタを拾ってみたい。
NTT データ元社員、銀行の取引記録を持ち出し - @ITNTT データは 3 月 28 日、同社の元社員である協力会社社員が、同社のコンピュータセンターから銀行の取引記録を持ち出していた可能性があることを発表した。これは、2005 年 10 月および 2006 年 2 月に、ローンカードが偽造され、不正なキャッシングによる被害が発生した事件にかかわるもの。
TIS,個人情報漏洩の再発防止に抜本策 - ITpro
「社内に関与した者がいてほしくないと思う気持ちがあるから見つからない。絶対に原因を突き止めろ」。信販大手アプラスの顧客情報漏洩問題で揺れる TIS の船木隆夫社長は、徹底した社内調査に向け大号令をかけた。
この問題は、アプラスのクレジットカード会員 7 万 9110 人分の個人情報がダイレクトメール会社に流出したもので、流出した情報には氏名、住所などに加え、住居形態や年収区分といった機密性の高い情報も含まれる。
こうした粗相をやらかす各社のトップを「重鎮」と持ち上げるメディアもどうかと思う。しかしながら、ここでより着目すべきは、問題が起きたときのトップが経営体制の根幹からの作り直しをしないという点である。
やはり、これら企業の経営陣、つまり「重鎮」たちは、自分が可愛くて可愛くて仕方ないに違いない。こんな文化がまかり通る企業群に誰が勤めたいと思うものか。
心なしか、冒頭の @IT の記事にある学生たちのショットの表情が皆曇りがちなのが非常に気になった。当然だろう。その場でコミットメントも示せずに「たじたじ」になるトップをいち産業人として信頼できるわけがない。
でも、仮にこの「重鎮」たちがソフトバンクの孫氏やソフトブレーンの宋氏だったらもっと違う話が聞けたかもしれない、というのは叶わぬ期待だろうか。お二人とも、(元/現)外国籍の人というのがまあ皮肉といえば皮肉ではある。
「IT 企業」は、ホリエモンこと堀江貴文氏や、楽天の三木谷浩史氏といった若手経営者たちの派手な言動が注目を集め、それがゆえに学生たちの人気も得たという時代があった。
しかしながら、ホリエモンは被告の立場に身をやつす一方、三木谷氏は TBS との泥仕合に明け暮れるという有様である。こうした経営者らは、やはり「重鎮」とはとても呼べない。
いずれにしても、まずは公共事業や大型案件を動かして悦に入っている、土建屋式囲い込みがベスト・プラクティスと信じてやまない「重鎮」たちにはとっとと「IT 業界」からご退場いただきたいと切に願う。
そして、冒頭の記事で 10 人全員が就職を希望する魅力的な業界へと脱皮をして欲しい。僕たちには、3K とか 7K とかとの厳しい指摘を受けても悪びれない厚顔無恥な IT 業界の「重鎮」なんてもう要らない。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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