最終更新時刻:2009年11月28日(土) 10時00分
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江島氏のメッセージに快哉を叫ぶ

公開日時:
2007/07/28 21:48
著者:
McDMaster

 CNET Japan で blog を執筆している江島健太郎氏の所属するインフォテリアが、先日上場を果たした。
 しかしながら、ここのところその株価は軟調に推移しているようだ。

 だが、私はこれを憂慮していない。
 そもそもの話としては、XML というなかなかエンドユーザの注目を得る機会のない要素技術を業務の主軸とする企業が上場したということには、産業社会的に非常に重要な意義があると思っているからだ。
 おりしも先日、金融庁が、上場企業に 2008 年度から XBRL による財務開示を義務付けるという報道がされたばかりだ。内部統制との絡みも含めれば、インフォテリアにはこんごよりいっそう活躍の場が期待されることだろう。

 インフォテリアの上場と合わせ、その米子会社である Infoteria USA の代表であるエジーまたはエジケンこと江島健太郎氏の強烈なメッセージが掲載された。
 その文体は、おそらく江島氏のカルチャーに触れたことのない人にとっては、ときに嫌悪感を催すものですらあるかもしれない。
 だがしかし、そういう人でも、大人のビジネスパーソンがとうぜんのごとく発揮し得る少しばかりの辛抱のもと、江島氏が命を賭した(かどうかは知らないけれども、それと等価と見て良いだろう)メッセージにぜひ目を通していただきたいのだ。

 江島氏のメッセージは、以下の2点でたいへんな評価に値すると私は思っている。

  1. 会社のためでなく、社会のために働くという規範を示したこと。
  2. 安易な M&A に警鐘を鳴らしたこと。

 まず、1. から触れてみよう。

 昨今、企業の社会的責任(CSR)が頻繁に喧伝されるようになった。
 社会的責任を果たしてないと目された企業は、マスコミなどからとうぜんのように非難の集中を浴びる。一方で、企業の側も、決算報告と合わせて CSR 報告書を提出するところが増えてきた。
 その内容は、おおよそ環境への配慮、あるいは地域社会への貢献といったあたりだろうか。

 むろん、私はこれらの企業活動を穿った目で見るつもりはない。
 たとえそれが企業のバリューを高め、将来のゲインの獲得に寄与するというもくろみがあったとしても、それはそれで良いではないか。それが「攻めの CSR」というものだ。

 しかしながら、私は江島氏の、攻めや守りといったポジションを越えた、あまりにストレートな、まさに天真爛漫でまるで独白ではないかといった CSR 主張に完全にクギ付けとなってしまったのだ。
 ここまでストレートなモノ言いのできる江島氏のパーソナリティ、そしてその天然でナイーブでときに傲慢とも思える発言を許す文化、これは市井の企業ではなかなか得られるものでない。江島氏は、日本国内の企業の CSR 担当者すべてのマインドを代弁していると言っても良いかもしれない。

 よく企業の管理職あるいは役員といった連中は、下位の従業員に向け「言いたいことは行ってもらわないと困る」とのたまう。しかしながら、江島氏のようにストレートに言われればけしていい気分はしないはずだ。
 それをあえて言ってしまう江島氏には心からの賛辞を贈りたい。もちろん、皮肉でもなんでもない。

 もう一つの点としては、2. の M&A に関することについてである。

 そもそも企業はなぜ M&A をするのか。それは、買う側に今足りないものをスピーディに補うためである。ということは、裏を返せば、その企業は弱点があります、コンピテンシーに欠けますと社会に公言しているようなものなのだ。

 インフォテリアは、IPO を経て一時的にキャッシュリッチになっているかもしれない。こんなとき、経営層は M&A を考えるものなのだろうか。私はそういう立場になったことがないため正直わからない。
 しかしながら、江島氏は実に的確に安易な M&A を戒めている。これは、会社のためでなく社会のためという理念と一貫していると言っても良いだろう。
 あるいは、私がこの冒頭で述べたように、XML を主軸としているのであれば、安易な多角化は避けるべきだという実に当を得た発言であるとも言える。

 いずれにしても、コトバは乱暴でも、こういう社会的かつ経営的な感覚でモノを言えるスタッフを擁するインフォテリアという会社は実に幸せなところだと思う。
 願わくば、江島氏がより名誉ある立場を獲得することを祈るというものだ。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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