最終更新時刻:2009年11月12日(木) 3時27分
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ソフトバンクの「iPod 携帯」について

公開日時:
2006/05/13 16:07
著者:
McDMaster

ソフトバンク、アップルと携帯で提携 - NIKKEI NET IT-PLUS

 ソフトバンクと米アップルコンピュータは国内の携帯電話機事業で提携する。アップルの携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」内蔵機を共同開発して年内にも発売する。ボーダフォン日本法人買収で携帯市場に参入したソフトバンクは、ブランド力の高いアップル製品を、NTTドコモとKDDI(au)に対抗する切り札とする。アップルは携帯電話機市場に参入し、世界で音楽配信と組み合わせた事業を展開する。

 iPod 携帯、と言うより「iTunes 携帯」としては、Motorola ROKR(CNET japan の記事より)が既に有名だろう。
 蛇足だが、私が昨年の 10 月はじめに香港へ旅行に行った際、油麻地(ヤウマテイ)の電気街では ROKR がもっぱらの目玉商品として各店のショーウィンドウのいちばん目立つ位置を占めていた。ちなみに、香港で ROKR を使いたい場合に最も優先的に選択されるキャリアは Vodafone 系である。
 だが、その後 ROKR がマーケティング的に大成功を収めたという話をまるで聞かない。いや、私の情報収集力が足りないだけなのかもしれないのだが。

 今回のソフトバンクの施策は、基本的には ROKR 路線を踏襲するものと言って構わないだろう。
 国内のモバイル・デバイスとして最もポピュラーな携帯電話(何せ、それさえあればキップを買わずに電車に乗れたりもできてしまうのだから)を音楽デバイスとして使っていこうという試みは、ROKR を知らない人が聞けば目新しく、かつ魅力的に映るかもしれない。

 そう、その「ROKR を知らない人」というのが、強みであり弱みでもあるのだ。

 iPod を、新たな分野の家電製品と考えるのは誤りである。詳しくはジェット☆ダイスケ氏のエントリをご覧いただきたい。ちょっと引用してみよう。

JD の発言: ところがね、iPod shuffle を購入してしまったわけさ。外で音楽聴くという習慣がないにも関わらず。実際のところ MD とかのユーザーが iPod に移ったんじゃなくて、iTunes の便利さに馴れた層が iPod 買ってるんじゃないかなと。実際ね、IT リテラシーの低い層にはまだまだ MD とか CD ウォークマンなんじゃないかなと。

 そうなのだ。
 iPod とは、けして過去にあったポータブル・オーディオ・エクイップメントのオルタナティブなどではけしてなく、あくまで iTunes にポータビリティを付与するという付帯的な役割(「iTunes to go」、テイクアウトできる iTunes)を担っているのだ。

 Apple とて、いちばん売りたい商品は Macintosh コンピュータである。そこにプリインストールされている iTunes を用いて Music Store から音楽をダウンロード購入したり、リストを作ってヘビーローテーション・プレイをしたり、あるいは個人用の CD に焼いたりという楽しみ方の提案がまずあり、そして iPod はそれらの中のあくまで一形態に過ぎない。

 だがしかし、iPod が音楽やビデオの視聴形態のいわば「新たな文化」を生み出した点は誰しもが認めることに違いない。そして、ソフトバンクの着眼点もそこにある。

 とはいえ、ジョブスあるいは Apple の目論見を見誤ってはいけない。やはり iTunes to go のポリシーは変わっていないはずだ。
 となると、全てがまかなえてしまうことが魅力のケータイというメディアに単に iPod 的機能を付与するだけでは、ROKR に同じく大した業績には結びつかないという気がする。「なーんだ、結局パソコンが必要なんじゃん」という印象を消費者にもし与えるとしたら、そのディスアドバンテージは計り知れないものとなる。

 だからこそ、ソフトバンクには「iPod ケータイ」に音楽を直接ダウンロードさせる機能を搭載させる必然性に早晩迫られることとなるだろう。しかし、これは既存キャリアが既に一定の成功を収めているビジネスモデルでもある。
 そうした中で、iTunes to go にこだわる(と思われる)Apple と組むことが果たして適切だったのかどうかは、ソフトバンクによる今後の戦略の立て方に左右される問題と言えそうだ。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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