意識を持つスパゲティのように物を絡め取るロボット--ハーバード大が開発

Amanda Kooser (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 高橋朋子 (ガリレオ)2022年10月25日 12時06分

 SFの世界が現実になったような研究成果が、またしても発表された。柔らかい触手で物をつかめる新しいロボットで、タコに似たその触手は、意識を持つスパゲティ、あるいは映画「マトリックス」に出てくる空飛ぶ触手ロボットにも見える。しかし、巻き毛に着想を得たというこのロボットは、(その奇妙な見た目に反して)壊れやすいものを驚くほど優しくつかみ取ることができる。

グリップロボット
提供:Harvard Microrobotics Lab/Harvard SEAS

 このロボットを開発したのは、ハーバード大学ジョン・A・ポールソン工学・応用科学スクールの研究チームだ。チームはこの研究成果についてまとめた論文を、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に米国時間10月10付で発表している。

 この奇抜ながら優秀なロボットについて知るには、実際に動いている様子を紹介したハーバード大学の動画を見るのが一番だ。


 シンプルだが巧みに設計されたこのロボットは、膨張する力を利用して物をつかむ。対象に絡みつくことで、物体を傷つけない。「この触手のようなフィラメントは、1本だけでは力が弱い。しかし束になることで、重い物体や複雑な形の物体をつかみ、安全に保持できる」と、研究チームは10月20日付のプレスリリースで述べている

グリップロボットのアーム
提供:Harvard Microrobotics Lab/Harvard SEAS

 この触手はゴム製のチューブで、片側の壁が厚くなっているため、膨張させると巻き上がるようになっている。研究チームは、果物やガラス製品のような壊れやすい物を扱ったり、医療用のグリッパーとして使用したりすることを想定している。

 このロボットを動かすのに複雑なセンサーやソフトウェアは必要ない。「ロボット把持に対するこの新たなアプローチは、既存のソリューションを補完するものだ。複雑な制御を要する従来のシンプルなグリッパーを、ごく簡単な制御で操作可能な、柔軟性の極めて高い、複雑な形態のフィラメントに置き換える」と、論文の共著者であるRobert Wood氏は述べている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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