資生堂、ヒト皮膚組織におけるメルケル細胞反応のリアルタイム評価に成功

 資生堂は10月20日、ヒト皮膚組織を用いて、触覚を担うメルケル細胞の化学的・機械的な刺激に対する反応をリアルタイムに評価することに成功したと発表した。


 従来、メルケル細胞は、細胞を人工的に培養しその様子を観察することが一般的だったという。今回成功した評価手法により、生きたヒトの皮膚により近い状態で、化学刺激や機械刺激に対するメルケル細胞の反応を詳細に観察することが可能となった。

 また、化粧品成分や肌へのタッチがメルケル細胞にもたらす影響や、そのメカニズムをより詳細に検討することが可能になるという。

 今後、適切なメルケル細胞や感覚神経への刺激について研究を深めていくとともに、美容法なども組み合わせた多様なビューティーケアのアプローチの提案を目指し、研究を進めていくとしている。




 加えて同日、皮膚・毛髪科学研究機関「モナステリウム研究所」との共同研究により、触覚を担うメルケル細胞に香り受容体が発現していることを発見。サンダルウッド様の香りを持つ香り成分により、香り受容体が活性化することをヒト皮膚培養系を用いた実験により証明したと発表した。

 さらに、メルケル細胞が加齢とともに減少することも発見している。



 なお、同社の先行研究においては、メルケル細胞と接続して触覚を脳に伝える神経線維がハリやたるみに関連する真皮の構造維持にも関与していることを明らかにしており、このことからも、メルケル細胞は肌の老化に影響していると考えられるという。

 今回の発見により、直接肌に触れることなく、香り成分によってメルケル細胞が活性化し、肌を美しく健やかな状態に導く新たなアプローチの可能性が示されたとしている。

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