金属インクジェット印刷技術のエレファンテック、21.5億円を調達

 エレファンテックは10月17日、第三者割当増資により21.5億円の資金調達を実施したと発表した。最速でグローバル標準の地位を獲得するため「グローバル展開の本格化」「さらなる研究開発による応用拡大」を目指す。


 今回の引受先は、ANRI5号、信越化学工業、ノーズ、ノーズ・インベストメント、静岡キャピタル、静岡キャピタル9号、英和、ナノバンク、剣菱酒造、三菱瓦斯化学、D&Iインベストメント、ナントCVC2号、ナントCVC3号あけぼの、ぐんま地域共創、SuMi TRUSTイノベーション。

 同社はこれまで融資や助成金を含め約49億円の資金調達を実施しており、累計の資金調達額は約70億円となった。

 エレファンテックは、既存製法に比べてCO2排出を77%、水消費を95%削減できるインクジェット印刷による電子回路製造技術の実用化、普及に向け、2014年の創業から開発に取り組んでいる。

 6年間の基礎研究を経て、2020年には量産に成功。以降、市場での量産採用が進んでおり、ディスプレイやセンサーなど、一般に流通する電子機器に同社のインクジェット印刷によって製造したフレキシブルプリント基板「P-Flex」が採用、搭載されているという。

 なお、同社のプロダクトはローカライズの必要なく世界のどこでもそのまま使えるため、生産計画は既に海外向け出荷が中心。事業のグローバル化が進む一方、現状の製造拠点は名古屋に持つ量産拠点が唯一で、本格的なグローバル展開に向けた体制にも課題があるとしている。

 

 今回調達した資金を活用し、グローバル展開の本格化を開始する。また、同社の技術は、原理的にはほとんどのプリント基板製造に対して適用できるものだが、現状で量産しているのは片面フレキシブル基板のみとなっていることから、今後研究開発を進め、製品ラインアップの拡充を図る。両面化、多層化、微細化、リジッド化など、伝統的なニーズに加え、今後はバイオマス基材への印刷や、リサイクル可能な材料の利用など、新たなニーズが広がっていくと考えており、そういったニーズも捉えつつ、同技術の適用領域を広げていくとしている。

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