「Meta Quest Pro」ハンズオン--表情トラッキング搭載、価格は一気に高額に

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年10月19日 07時30分

 Metaの新しい仮想現実(VR)ヘッドセットの価格は1499.99ドル(日本では22万6000円)だ。その現実を受け止めるために、先に価格に言及しておいた。メタバースを初めて体験する手段として「Meta Quest 2」を購入し、300~400ドル(約4万4000円~5万9000円)の価格帯に慣れた人にとっては、衝撃的な価格かもしれない。米国時間10月11日、同社の「Meta Connect」カンファレンスで発表された「Meta Quest Pro」は、25日に発売される。筆者は先頃、ワシントン州レドモンドにあるMetaのReality Labs Research本部を訪問した際に、Meta Quest Proを試す機会を得たが、このVRヘッドセットは、一般ユーザー向けの家庭用ヘッドセットとして設計されたものではない。

Meta Quest Proとコントローラー
Meta Quest Proとコントローラー
提供:Scott Stein/CNET

 実際に、筆者が1、2時間ほど使用してみて思い出したのは、これまで装着したことのある多くの消費者向けVRヘッドセットではなく、ビジネスに重点を置いたMicrosoftの「HoloLens 2」だった。1499.99ドルというMeta Quest Proの価格は、最初は非常に高価に思えるが、ビジネス向けの拡張現実(AR)およびVRヘッドセットとしては一般的な価格帯に収まっている。

 Quest Proは、HoloLens 2とQuest 2が結婚して生まれた子供のようなものと考えるといいかもしれない。Quest Proは、Quest 2と同じように、依然としてスタンドアロンのVRヘッドセットではあるが、その機能は、カメラと深度センサーを使用して現実世界をスキャンし、そこに仮想の物体を重ねることだけにとどまらない。Quest Proが作り出す複合現実(MR)の体験は、「Magic Leap」や「HoloLens」が創造するAR体験のように感じるが、幽霊のような3D画像が重ねて投影されるシースルーレンズを使用するのではなく、VRも取り入れながら装着者の周囲の環境を写すカラー動画をディスプレイに表示する(Quest 2ヘッドセットもこれらの機能の一部を備えているが、カメラは白黒で、画質もはるかに粗い)。新しいコントローラーは小型化され、ハプティクス(触覚)技術の性能が向上しているほか、トラッキングの精度も上がったという。さらに、コントローラー自体にもカメラが搭載されている。

 Quest Proのヘッドセットには、より強力なプロセッサー(Quest 2と比べて最大50%のパフォーマンス向上をうたうQualcommの新しい「Snapdragon XR2+」)、アイトラッキング、表情トラッキングが内蔵されている。Metaは、これらの機能を利用してゆくゆくはグラフィックスを向上し、微笑んだり、眉をひそめたり、実際に視線を合わせたりできる、より感受性の豊かなVRアバターを作り出す予定だ(このような複合現実を提供するヘッドセットは、今後も登場するだろう。Qualcommは声明の中で、Snapdragon XR2+プラットフォームを使用するヘッドセットが2022年中にほかにも登場することを明かしている)。

 スリムになったヘッドセットを顔に滑らすように装着すると、メガネの上にぴったりとフィットしたことにまず感激した。また、外の世界が周辺視野から遮断されることもなかった。それは、VRで仮想の物体が自分の周りの世界に重ねて表示されているときも同じだった。スマートフォンでのAR体験に似ていたが、完全な3Dだった。Quest Proの改善されたコントローラーを使用して、手を伸ばし、さまざまな物体を動かすこともできた。デモの1つが終わったとき、近くにいた人から、「おかえりなさい」と声をかけられた。だが、面白いことに、Quest ProのMRでは、部屋から別の空間へ行ったような感覚はなかった。仮想の空間に連れて行かれる代わりに、仮想の物体が自分のところにやって来たような感じだ。

Meta Quest Proを装着した筆者
装着したまま変な表情をたくさん試してきた。
提供:Meta

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]