自律型配達ロボット市場の競争が激化--米スタートアップが追加の資金調達に成功

Greg Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年12月17日 07時30分

 自律走行型宅配ロボットを手がけるServe Roboticsが、複数の大規模な支援者による資金調達シードラウンドの終了を発表した。現在、都市部や郊外でラストマイル配達を行うロボットという着想で投資家の支持を得ようとする自律型配達ロボット開発企業が急増しており、今回、Serve Roboticsもその仲間入りを果たした。

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提供:Serve Robotics

 自律型配達のエコシステムの情勢は興味深く、戦略的な商業提携が重要な決め手となっている。大手フードサービスプロバイダーと既存の配達業者がこぞって自律型宅配で先行者優位を得ようとしており、縄張り争いが発生する可能性もある。

 さまざまな戦略的投資家がこのラウンドに参加していることが、それを物語っている。支援者には、Uber Technologies、Delivery Heroが支援するDX Ventures、Wavemaker Partners傘下で、フードオートメーションのベンチャースタジオであるWavemaker Labsが含まれる。また、7-Eleven Inc.のコーポレートベンチャー部門である7-Ventures, LLCも参加している。7-Elevenは自律型配達に注力している。

 「7-Elevenが目指しているのは、いつでも、どこでも、コンビニエンスストアの一番の選択肢になることだ。われわれは、革新的な買い物ソリューションを顧客に提供することで、利便性を再定義している」。7-Elevenのシニアバイスプレジデント(SVP)兼最高デジタル責任者(CDO)であるRaghu Mahadevan氏は、そう話す。「この協業により、94年間にわたるイノベーションの伝統を継続しつつ、ラストマイル配達サービスを拡充し、『7NOW』の低価格化と持続可能性を進めて、アクセシビリティーを向上することが可能になるだろう」

 技術開発と概念実証から規模拡大と提携に焦点が移り始めたことで、自律型配達の分野は急速に成長している。これらのテクノロジー企業の多くは、「アズ・ア・サービス」モデルで事業を行っており、すでに顧客とブランド認知度を持っているパートナーを確保することが、規模拡大を実現する最も手っ取り早い手段となっている。

 Serve Roboticsは、公共の場で人々にサービスを提供するゼロエミッションのロボットを、まずは食品配達の分野から設計、開発、運用している。フードデリバリー企業Postmatesのロボット工学部門として2017年に創設されたServe Roboticsは、2021年3月に独立した会社としてスピンオフした。新しいラウンドは、同社の過去のシード資金調達に続くものだ。調達した資金はおそらく、同社の商業規模拡大の加速、ロボット部隊の拡充、新たな地域への進出、継続的な製品開発に使われるだろう。Serve Roboticsは先頃、Uber Eatsとの初めての提携を発表した。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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