UPS、自動運転トラックのTuSimpleに出資--提携拡大へ

Sean Szymkowski (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2019年08月16日 12時01分

 自動車業界は、自動運転車やそれが個人の移動に及ぼす影響について大きな関心を寄せているが、企業が貨物を運ぶ方法を変革したいと考えている企業もある。そこで登場するのがTuSimpleだ。カリフォルニア州サンディエゴに本社を置くこの新興企業はつい先ごろ、配送やロジスティクスの分野の大手企業から支援を取りつけた。その企業とは、United Parcel Service of America(UPS)だ。

TuSimple
提供:TuSimple

 UPSは米国時間8月15日、TuSimpleの株式の一部を取得したことを明らかにした。UPSは実際、5月からTuSimpleと協力してセミトレーラートラックの自動運転技術をテストしている。新たな出資はこの関係を拡大するものだ。現在、TuSimpleの技術はクラス8のトラックに重点が置かれている。クラス8は重量が3万3000ポンド(約15トン)超で、その多くが少なくとも3軸仕様のトラックだ。

 UPSとTuSimpleの提携では、米自動車技術者協会(SAE)が定めるレベル4の自動運転技術をUPSのセミトレーラートラックに導入するのに何が必要かを把握しようとしている。

 これまでのところ、アリゾナ州のフェニックスとツーソンを結ぶ計画路線でテストが実施されている。UPSがTuSimpleに貨物を提供し、TuSimpleはそれをプロトタイプの自動運転セミトレーラートラックで輸送している。この自動運転車には人間の補助ドライバーとエンジニアが1人ずつ同乗し、常に運転を監視する。両社はまた、セミトレーラートラックが完全な自動運転モードで走行できる距離と時間や、輸送経路を完走するのにかかる時間も監視している。

 UPSは、自動運転車や自動運転技術の前には多くの障害が立ちはだかっていることを十分認識しているが、出資は同社の将来を守るものだという。UPSで最高戦略および変革責任者を務めるScott Price氏は、「UPSは、自社の車両にこれらの新技術を実装する先駆者として、この分野に関わっていく」と述べた。

 UPSの真意はおそらくコスト削減にあるのだろう。UPSは繁忙期の間、サードパーティーの企業各社に業務を委託している。TuSimpleは輸送費を30%削減できると考えている。UPSのほかに米郵便公社も、アリゾナ州で自動運転による郵便配達をテストする契約をTuSimpleと交わしている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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