イタダキは8月8日、完全キャッシュレスの低糖質ピザ専門店「SONOBON」を表参道にグランドオープンした。営業時間は11~20時まで。
イタリア直輸入のビール小麦を使用することで、1食あたりの糖質量がわずか約9gのピザ生地を実現している。テイクアウトを基本とするが、店内でも立食が可能だ。価格は、1人前2ピースのセット(1300円~)で、基本のマルゲリータに加えて好きなものを選べる。
SONOBONを運営する、イタダキ代表取締役の松本龍祐氏は元メルカリ。7月までメルペイの取締役CPOを務めていた人物だ。
松本氏がなぜ低糖質ピザの店舗を開こうと思ったのか。理由の一つに、同じくイタダキ 代表取締役を務める奥野義幸氏との出会いがある。奥野氏は、イタリアの星付きレストランで研鑽を積み、現在は日本で3店舗のオーナーシェフとして腕を振るう。また、食品プロデュースや料理講師など幅広く活動している。
奥野氏が手掛ける一店舗の常連客だったという松本氏と奥野氏が意気投合した。松本氏は、「料理は素人だが、自分が素人でないITと組み合わせることでシナジーがあると思った。(低糖質の)市場も大きい」と説明する。
SONOBONは、現金を扱わない。キャッシュレスオンリーの店舗として運営している。
「現金を1円でも扱っている限り、現金を管理しなくてはならない。どうせやるのだったら現金も含めてあらゆる決済を提供するのか、振り切ってなるべく店舗側とお客様の一番いい効率のバランスをとるというところを追うかどちらか。今回は後者に振り切った」と松本氏は説明した。
ITと飲食店運営のシナジーは、どんなところに生かせるのだろうか。「たとえば、あらゆる決済手段を入れようというのも、決済をやっていた立場からすると売上げが増えるので当たり前だが、その感覚自体が決済側の知見があるからこそ。売上げの管理はPOSレジのスクリーンショットを撮り、Slackに送って終わり。店舗の運営も、ITを活用したスタートアップの仕事の仕方があるのではないか。この店自体もフードデリバリをやることを前提として設計。もとからデリバリされやすいことを考えて設定するのはあまりないかもしれない」と語った。
低糖質フードは、タンパク質・ミネラル・脂質・おいしさなどの含有量はそのままに糖質量のみを抑えることを目的とした「ローカーボ」と呼ばれる食事法において、“ストレスフリー”および“ギルトフリー”を叶えるものだ。
このローカーボを実現した鍵となる小麦はイタリアから輸入しているもので、「このビール小麦を取り入れたピザは日本初」と奥野氏は説明する。
「ビール小麦は、ビールのアルコール発酵時に麦が持っている糖がなくなるので、ビールや麦の風味をそのままに糖だけがない粉になる。それを使って焼いたピザなので、ローカーボ。普通なら家畜の餌で、それでも余りは粗大ゴミとして捨てるものなので環境にもやさしい。体にとっても血糖値が上がりづらく、タンパク質やミネラルはとれる。ローカーボでハイプロテインなピザがつくれる」と説明した。
試食してみると、茶色い生地はめずらしく感じるが、しっとりふかっとしていて美味しく、クセもない。見た目も美しく、ボリュームのあるチーズや具と相まって、いわゆる「健康的な味」とは無縁の、美味しいピザだ。
この小麦が普及していない理由は価格。通常の小麦よりも数倍高いという。「試食ばかりしていたら体重が減った」と奥野氏が言うピザ、一度試してみる価値はある。
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