米議員13人で構成されるグループが米国時間7月16日、労働省に対し、米国にあるAmazonの倉庫をすべて調査するよう要請した。グループはその理由として、労働環境や不法な労働、けが、酷使に関するさまざまな懸念を挙げた。
このグループを率いるのは、民主党の大統領選候補であるバーモント州選出の上院議員Bernie Sanders氏と、ミネソタ州選出の下院議員Ilhan Omar氏だ。また、現在無所属のSanders氏を除けば、メンバーはすべて民主党議員だ。16日の声明で、Sanders氏は労働省の労働安全衛生局に対して、直ちに調査を開始し、「法を最大限に適用して責任者を追及する」よう求めた。
Sanders氏は、「米国で最も裕福な人間が所有する企業で働く人々が職場で自分の生命や健康、幸福を危険にさらすリスクを負うようなことは、決してあってはならない」と述べ、Amazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏に言及した。「彼らは尊厳と敬意をもって扱われなければならない」(Sanders氏)
Amazonは16日、Sanders氏がいつでも同社の倉庫を訪れることができるよう招待を受けているにもかかわらず、「これまでに当社の建物に足を踏み入れたことは一度もない」と反論した。Sanders氏が実際に施設を見学していれば、Amazonがすでに倉庫で安全に関して何重にも対策を取り入れていることを確認できたはずだと同社は述べた。米国の従業員に対する毎月の安全性に関する調査、2018年に実施された100万時間以上の安全訓練、この1年間に実行された安全性向上への5500万ドル(約60億円)の投資などの取り組みを行ってきたという。
Amazonは、「この書簡に書かれている主張は、当社の建物内での活動を正確に書いたものではない」と述べ、6歳以上なら誰でもAmazonの建物を見学できるとしている。
Sanders氏はAmazonの提案を拒否し、16日午後のツイートで、労働省による抜き打ち検査の実施を希望すると述べた。
議員グループは調査を要請する書簡をプライムデー開催中に送付した。
I stand in solidarity with the courageous Amazon workers engaging in a work stoppage against unconscionable working conditions in their warehouses. It is not too much to ask that a company owned by the wealthiest person in the world treat its workers with dignity and respect. https://t.co/GxagHx70pb
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2019年7月15日
Amazonは15日、プライムデーは「労働組合など当社に批判的な人々にとって、自らの主義主張に対する意識を高める格好の機会になっており、今回は会費の値上げがやり玉に挙がっている」と述べた。同社は、2018年に最低賃金を15ドル(約1700円)に引き上げ、有給教育や育児休暇、昇進の機会を含む包括的な福利厚生パッケージを提供していることに度々言及している。
米国のAmazonの従業員の多くは労働組合に加入していない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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