iFixit、「Galaxy Fold」のトラブルを分析--問題は繊細なOLEDとホコリ侵入を許す構造

 サムスン電子の折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」を分解したiFixitは、複数報告されている画面トラブルについて原因と思われるポイントを指摘した。繊細で壊れやすいOLEDディスプレイを採用しているにもかかわらず、ホコリの侵入しやすい構造が問題だという。

 iFixitによると、OLEDはLCDよりはるかに繊細で、何らかの局所的ダメージがディスプレイ全体に広がりやすい。酸素と湿気に弱いため、内部を守っている保護層に小さな傷がつくだけで使えなくなるそうだ。

 折りたたみ可能な構造にするためか、Galaxy Foldはヒンジの上下にすき間が設けられている。背面には、閉じた状態でも多少のすき間があるようだ。この部分に特殊なシートでもない限り、ホコリが内部へ入り込むだろう。折りたたむと画面は曲げられるので、そこに砂粒などが入ると押しつけられる。iFixitは、ヒンジと画面の間隔を少し広げた方がよいと考えている。

すき間が多いGalaxy Fold(出典:iFixit)
すき間が多いGalaxy Fold(出典:iFixit)

 iFixitは、画面に貼られている保護シートもトラブルの原因だとした。この保護シートははがさず着けたまま使うのだが、新品のスマートフォンに貼られているはがして使うシートと誤解されやすい。Galaxy Foldの画面は、保護シートをはがすとOLEDに想定外の力が加わり、画面トラブルにつながる。

 また、サムスンはヒンジを20万回以上開閉しても問題ないとしたのに対し、iFixitは開閉テスト用ロボットと人間では条件が異なるとしている。人間の場合は、開閉のたび力をかける場所が変わり、ロボットより強い力を加えることもある。さらに、ホコリの少ない開閉テスト環境と違い、実際のユーザーはランチのテーブルや屋外、地下鉄の駅などで開け閉めするはずだ。

 折りたたむメイン画面に折り目がないことも、原因の可能性があるという。折り目がないために、たたんだ状態で力のかかる場所が変わる。その結果、しわなどの問題が発生しやすくなり、ヒンジ内部でOLEDに力がかかってしまう。

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