「No.1を目指す」--GMO、自社開発チップを搭載したマイニングマシンの販売を開始

 GMOインターネットは6月6日、マイニングマシン「GMOマイナーB2」の販売を開始した。同社では、販売に先駆け、記者向け発表会を5日に開催した。

熊谷正寿
(左から)GMO-Z.com Switzerland AG代表取締役の奥村真史氏、GMOインターネット代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏

 GMOマイナーB2は、7nmプロセスルールのマイニング専用ASIC「GMO72b」を搭載したSHA256対応のマイニングマシン。1台で24TH/s(1秒間に24兆回のハッシュ計算)を実現し、設置スペースも他のマイニングマシンと比較して半分で済むという。対応コインは、ビットコインとビットコインキャッシュのみ。SHA256を採用した他のコインは検証していないという。また、他のアルゴリズムへの対応を検討しているようだ。

GMOマイナーB2
マイニングマシンの「GMOマイナーB2」。ナンバリングが2になっているのは、1つ前にプロトタイプ機が存在するため

 ASICは自社設計で、海外のファウンダリで製造している。チップ開発にあたり100億円に近い額の規模で投資をしており、プロセスルールも7nmだけでなく、7nm+や5nm、3.5nmに挑戦したいという。機能としては、内蔵ソフトのオンラインアップデート機能のほか、温度センサによるオーバーヒート防止、オンラインでの動作状況の監視(APIを公開)が可能。盗難対策として、盗難後でのネットワーク接続を検知する機能も実装する。

GMO72b
自社開発のASIC「GMO72b」

 消費電力は1台1950W。1TH/sあたりの電力量も他社と比較して20%ほど削減しており、パワーに対して消費電力が少ないマシンの一つだとしている。また、通常はマイニングマシン1台ごとにネットワークへの接続が必要だが、マイナーB2では、最大32台でディーチェーン接続(数珠つなぎ)できるため、ネットワーク機器に対するコストを最大で1/55にできるという。付属の電源は100~240Vまで対応するが、100V稼働時はハッシュパワーが低減するという。

 価格は1台1999ドルだが、マイニングマシン最大手のBitmainと同じく、需要などを鑑みて毎月価格を更新するという。なお、Bitmainの主力マイニングマシンである「Antiminar S9i」の価格は、現時点で840ドル程度とマイナーB2と比べて半額以下だが、消費電力は1320W、ハッシュレートが14TH/sのため、設置面積の削減による土地代、ネットワーク機器コスト、1台あたりのハッシュパワーなどを鑑みて、競争力があるとしている。また、少数マシンでマイニングビジネスを始める人向けに、マイニングプール「GMO POOL」を提供する。

 販売方法は少し特殊だ。注文は毎月10日12時までを期限とし、同日18時に抽選結果を公表する。支払期限は15日15時まで(土日祝日は翌営業日)。出荷量を上回る注文があった場合は、抽選で販売となる。なお、事前に説明会を開催する予定で、説明会の出席者は抽選で優遇されるという。6月は、例外的に11日12時が注文期限となり、抽選結果が同日18日、支払期限が15日15時までとなる。説明会は、日本を含めた8カ国で実施予定。6日の説明会には、北海道から九州までさまざまな地域のほか、ロシア、アフリカなどからも参加申込みがあったという。

 支払い方法は前払いで、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、USドルの3種類。初回出荷は2018年10月末より順次開始し、最低注文数量は設定せず個人でも購入できる。なお、大量導入によるディスカウントは設けないという。販売はGMOのスイス法人でありマイニング事業を統括するGMO-Z.com Switzerland AGが担当する。また、出荷量よりも注文数が少なく在庫が発生した場合は、自社のマイニング事業で使用するとしている。

 なお、GMOでは自社マイニング事業のサマリを毎月公表している。5月分で得られたマイニング報酬はビットコインで472BTC(日本円換算で約4億円)、ビットコインキャッシュで37BCH(約4500万円)。ハッシュレートは299PH/sだったという。ハッシュレートや採掘コインの数は月ごとに増えており、マイニングマシンの稼働台数の増加が貢献したとしている。同社では、2018年度内までに3000PH/sを目指す。

 GMOインターネット代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏は、BitmainのCEOであるジハン・ウー氏に尊敬の意を述べつつ、「やるからにはトップを狙いたい」と意気込んだ。

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