ビル・ゲイツ氏が2017年に読んだオススメ書籍5冊

Gael Fashingbauer Cooper (Special to CNET News) 翻訳校正: 編集部2017年12月05日 11時52分

 Bill Gates氏は米国時間12月4日、2017年に読んだ書籍の中から選んだ、さまざまな分野にわたるお勧めの5冊をブログで明らかにした(2016年以前に出版されたものも含む)。その5冊は以下の通り。タイトルの和訳は正式なものではなく、仮訳だ。

「Evicted: Poverty and Profit in the American City」(立ち退き:米国都市の貧困と利益)(Matthew Desmond著)

 2016年に出版されたこの書籍で、Desmond氏は米ウィスコンシン州ミルウォーキーの黒人居住地域と白人居住地域の住民を追跡し、一般ノンフィクション部門で2017年のピューリッツァー賞を受賞した。米国の貧困をもっと深く理解したいと考えているあらゆる人にとって、「Evicted」は読む価値のある書籍だとGates氏はレビューで述べた。

 Gates氏と妻のMelinda Gates氏はこの本を読む以前から、この取り組みを支援していたという。

「The Best We Could Do: An Illustrated Memoir」(私たちにできる精一杯のこと:イラスト付き回顧録)(Thi Bui著)

 Gates氏はこのグラフィックノベルを「驚くほど素晴らしい」と評している。Bui氏は、サイゴン陥落後に米国にやってきたベトナム難民の娘だ。母親になったことがきっかけで、同氏は自身の両親の衝撃的な歴史について調べ始めた。「Bui氏がイラストと共に語る経験が普遍的なものであり、同時に彼女たちの状況に特有のものでもあることに私は衝撃を受けた」(Gates氏)

「Believe Me: A Memoir of Love, Death, and Jazz Chickens」(私を信じて:愛と死、ジャズチキンの回顧録)(Eddie Izzard著)

 評価の高いコメディアンであるIzzard氏はお気に入りのパフォーマーの1人だとGates氏は述べている。Gates氏は、「おかしくて、失読症患者で、トランスジェンダーの俳優で、コメディアンで、脱出マジックの名人で、一輪車乗りで、ウルトラマラソン走者で、パイロットの英国人」と自分に共通点が非常に多いことに最近気づいたという。Gates氏と同様、Izzard氏も子供時代はオタクで学校を退学した経験があり、母親を癌で失っている。

 しかし、元々Izzard氏のファンでなかった人はこの自叙伝を理解できないかもしれないと、Gates氏は注意を促している。

「The Sympathizer」(同調者)(Viet Thanh Nguyen著)

 Gates氏のリストの中で、これはベトナムに関する2冊目の書籍であり、唯一の小説だ。ピューリッツァー賞を受賞したこの書籍は、ベトナム戦争中に匿名の共産主義スパイから無理矢理引き出した自白として提示されている。「戦争を取り上げた多くの物語では、読者がどちらの側を応援すべきなのかが明白である。『The Sympathizer』では、読者がそれを判断するのはそれほど容易ではない」(Gates氏)

「Energy and Civilization: A History」(エネルギーと文明:歴史)(Vaclav Smil著)

 Gates氏はVaclav Smil氏のファンだとして、「一部の人々が次の『スター・ウォーズ』の映画を待つのと同じように、私はSmil氏の新作を待つ」と告白している。この本の中で、Smil氏は「エネルギーを熱や光、動作に変える人間の能力の革新が、過去1万年にわたっていかにわれわれの文化や経済の進歩に貢献してきたかについて、深く幅広いところまで解説している」のだという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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