AIやIoT技術を活用した「睡眠解析プラットフォーム」--吉野家が採用

 ニューロスペースは10月11日、国内で初めて、AIやIoT技術を活用した「睡眠解析プラットフォームβ版」をスタートすると発表した。

 また、SleepTech(スリープテック)事業の加速を目的に、ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルから第三者割当増資による資金調達を実施。同時に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成29年度研究開発型ベンチャー支援事業」に採択されたと発表した。


 同プラットフォームは、個人毎の睡眠データを高精度に計測し、AIを活用した独自の解析技術から導き出した個人別睡眠解析結果と最適ソリューション、改善データを提供するシステム基盤だ。(1)個々人の睡眠状態を従来比で大幅に高精度化し計測するデバイス、(2)取得された睡眠データに個人差を加味し、評価するAIアルゴリズム、(3)得られた睡眠評価から、行動面・環境面で個々人に最適な睡眠改善ソリューションを提案する機能──の3要素から構成されている。

 同社では、社員の健康増進・生産性向上を志向する企業や睡眠ビジネス参入を検討する企業にプラットフォームを開放。APIを通じて、睡眠改善データやソリューションを経営の改善や自社サービス・IoT対応製品に組み込むことが可能だという。

 同社によると、睡眠に悩む人口は国内で3000万人以上、その経済損失額は15兆円(GDPの約3%)であり、24時間サービス従事者、昼夜勤シフト勤務者、時差ボケに悩まされる勤務者の疾患発症リスクは一般勤務者と比べ2〜4倍になるなど、睡眠不足が日本社会に及ぼす影響は多大で社会問題化しているという。


 このような状況下で、社員の睡眠に関する悩みを解消し、生産性向上、業績向上を図る企業が増加。同時に、多くの企業が睡眠ビジネスへの参入を検討するなど、睡眠に関する市場規模は国内だけでも5兆円ともいわれている。

 同社はこれまでも、国内大手企業向けに睡眠改善プログラムを提供。社員の睡眠問題を改善することで、企業の健康経営推進に貢献してきた。

 プログラム提供により培ったノウハウと、今回調達した資金を活用し、SleepTech事業を加速し、国内で初めて、AI・IoT技術を活用した睡眠解析プラットフォームの実用化に向けた開発を進めるとともに、実証実験を開始する。

 なお、実証実験には、吉野家の参画が決定している。

 実証実験では、吉野家のシフト勤務者を対象に、同社が開発した新規睡眠計測デバイスおよび、その計測データから睡眠ソリューションを提示するモバイルアプリを配布。1カ月間の睡眠計測と改善行動のレコメンデーション、シフト調整などを通じて、同プラットフォームの有効性の実証とブラッシュアップを行う。

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