15年ぶりに13インチのMacを選んだ理由--2016年に購入した製品で振り返るApple(後編)

 筆者が2016年に購入した製品で振り返るAppleの後編だ。2016年は、約3年ぶりに買い換えたiPad Pro、4年半ぶりに買い換えたMacBook Proなど、長い買い換えサイクルの製品の購入が重なった年だった。

 前回ご紹介したiPhone 7 Plus、iPad Pro 12.9インチモデルに続いて、MacBook Pro 13インチモデル、Apple Watch Series 2 42mmスペースグレーアルミニウムケース、AirPodsについて触れていこう。

ダウンサイジングを決断したMacBook Pro

 筆者は2015年から、MacBook Proの買い換えを検討してきたが、いよいよ新型MacBook Proが登場するということで、購入に踏み切ることにした。

MacBook Pro
MacBook Pro13インチモデル

 15インチディスプレイのPowerBook G4を使い始めて以来、15インチのノート型Macをメインマシンにして、デスクトップを持たないという生活を大学時代から続けてきた。そのため、順当に考えれば、15インチの新型MacBook Proを購入することに決めていた。取材していた発表イベントの会場で、15インチモデルの予約を入れたほどだった。

 しかし結論から言えば、15インチの予約をキャンセルして、13インチMacBook Proをオーダーし直した。出荷まで3週間近くあり、考える時間が与えられたこともあったが、実に15年ぶりに、15インチというサイズから13インチに変えることを決断した。

 15インチモデルは高速なグラフィックスとコンパクト化、軽量化で、より持ち運びやすいマシンに進化していた。非常に微妙な差ではあるが、本体のサイズの違いから、キーボードのタッチも15インチの方が優れているように感じた。

 しかしそれ以上に、MacBook Pro 13インチモデルはコンパクトで軽いという価値が勝っていた。MacBook Airの進化を終え、その代替という位置づけにもなった13インチモデルは、憧れていたライトさを備えている。

 画面サイズの大きさは、メインマシンとして活用する上ではマイナスとなる。しかし前述の通り、iPad Proで過ごす時間が多くなってきた中で、Macでもアプリを全画面で使うようになっていた。そうなってくると、15インチディスプレイを持て余すことになってしまう。そこで、13インチモデルを選ぶに至った。

 Touch Barという新しいインターフェースが搭載されており、普段よく使うアプリ、エディタのUlyssesやAppleのKeynoteなどは既にTouch Barをサポートしている。ただ、特にUlyssesの場合、キーボードのショートカットやMarkdownの書式を覚えているため、Touch Barを直接操作するチャンスは訪れないでいる。

日本でキラーアプリを見出したApple Watch

 AppleはiPhone 7とともに、Apple Watch Series 2を投入した。

 50m防水で水泳の計測に対応し、GPSを内蔵して単体での正確な距離や場所を記録できるようになった。バッテリサイズも拡大されて、重要も重くなったが、その分、アプリを積極的に使わない場合、バッテリの持続時間も延びている。

 またwatchOS 3とデュアルコア化されたS2プロセッサのおかげで、アプリ起動も高速化され、より積極的にwatchOS向けアプリを活用しようという気になった。

 アクティビティトラッカー偏重で進化しているウェアラブル市場の中で、それ以外の可能性に開かれている製品はApple WatchやAndroid Wearを搭載するスマートウォッチ群となる。2017年は、新たなキラーアプリの登場に期待を寄せている。

 ただ、日本では、一足先に、Apple Watchのキラーアプリを発見できた。それはSuicaである。

 10月25日から、Apple Payが日本に導入され、日本向けに販売されているiPhone 7シリーズ、Apple Watch Series 2に内蔵されたFeliCaを利用して、Suica、iD、QUICPayを用いた店頭決済をサポートした。

Apple WatchでApple Payを利用する
Apple WatchでApple Payを利用する

 ちょうどその時期に日本に滞在していたが、既に経験していた米国でのApple Payがある生活とは全く異なる世界が広がっていたことに驚かされた。鉄道からコンビニ、スーパー、飲食店、タクシーと、どこででもApple Payを利用できる環境は、世界にまだない。

 米国では2014年10月からApple Payが利用できたが、2年たった現在も、利用できる店舗は増えている実感がない。身の回りで利用できる店舗は高級スーパーWhole Foods Market、こちらも人気のあるスーパーであるTrader Joe’s、そしてドラッグストアWalgreens程度。いずれも毎日買い物をする場所ではないのだ。

 そうした米国の現状からすれば、日本はApple Payが最も便利に利用できる国であることは間違いない。そして、Apple Payが利用できる場所が増えれば増えるほど、Apple WatchでのApple Pay利用のメリットが際立ってくるのだ。

 筆者は普段左手に腕時計を着けているが、日本の空港に降り立ったら、Apple Watchを右手に付け替える。その方が改札通過に便利だからだ。ポケットから財布やiPhoneを取り出さなくても、Suicaが利用できる快適さは、Apple Watchのキラーアプリを明確に発見したといえるだけのものだった。

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