新型「MacBook Air」（13インチ）レビュー--バッテリ持続時間など大幅改善

　この新製品は「ものごとが大きく変わっても、その本質はそうそう変わるものではない」ということわざを地で行くものとなっているのかもしれない。

　約1年ぶりに新たな「MacBook Air」が発売された。そのスリムな外見は、11インチディスプレイ搭載モデルも、13インチディスプレイ搭載モデルも、過去数世代にわたってほとんど変化していないため、とても親しみを感じるはずだ。

新「MacBook Air」：高速化された超薄型ノートブック

　2013年6月に開催されたAppleの開発者向け会議「Worldwide Developers Conference」（WWDC）においてアップデートが発表されたノートPCは、MacBook Airだけであった。そのアップデート内容は一見したところ、Intelの第4世代「Core i」シリーズのCPU（開発コード名：「Haswell」）の搭載という売り文句以外、比較的おとなしいものに見受けられる。しかし、この新モデルは大きく進化しており、特に商用電源のない場所で長時間ノートPCを使う人にとって、その進化は価値あるものに感じられるはずだ。

　われわれは、MacBook Airでのテストに先立ち、Haswellチップを搭載したノートPC数機種でテストを実施しており、同チップがパフォーマンスとバッテリ持続時間（コンシューマーにとっては、後者の方がずっと重要だろう）の改善に貢献しているという印象を抱いている。このためHaswellチップを、バッテリ持続時間に定評のあるApple製品に搭載すれば素晴らしいシステムが実現されるはずだ。13インチMacBook Airは、Appleの主張によると最大で12時間稼働できるという。そしてわれわれのテストでは、さらに良い結果が得られたのだ。

提供：Sarah Tew/CNET

　Haswellという新世代のCPUには、Intelの「HD Graphics 5000」という新型のGPUが搭載されている。つまり今までの「HD Graphics 4000」よりも（そしてそれはさらに過去の「HD Graphics 3000」よりも、そしてそれはさらに、、、以下同様）ゲーム時のパフォーマンスが改善されるというわけだ。それでもパフォーマンスは、15インチの「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」のようにGPUを別途搭載している製品には及ばないものの、Valveの「Steam」やElectronic Arts（EA）の「Origin」といったゲームサービスが既にMacにも対応しているため、「OS X」におけるゲームの世界への道が広がるきっかけともなるだろう。

　また、新しいWi-Fiテクノロジである802.11acにも対応している。この新規格は、Appleの新しい「AirPort Extreme」といった無線ルータや、「AirPort Time Capsule」といったハードウェアで、ようやく採用されるようになってきた。あなたの使用しているルータが802.11nまでの規格にしか対応していない場合（現在ではほとんどがそうだろう）、802.11acの恩恵は受けられないが、この新規格の採用は将来を見据えた素晴らしい選択である。またAppleによると、MacBook Airに搭載されているSSDストレージも高速化が図られているという。ただ筆者は、基本構成で999ドルという価格の11インチモデルに搭載されているSSDが128Gバイトになったことの方がずっと重要であると考えている（同じ価格の以前のモデルでは64Gバイトしか搭載されていなかった）。

提供：Sarah Tew/CNET

　新しい13インチMacBook Airの評価において、外部形状に変更はなく、堅実な性能向上が図られてはいるものの、いまだに高解像度ディスプレイやタッチスクリーン、HDMIポートが搭載されていないと断じるのは簡単だ。とは言うものの、バッテリ持続時間の改善はポイントが高いうえに、13インチMacBook Airの基本モデルが前世代よりも100ドル安い1099ドルとなっているという点を考えると、軽量ノートPC市場における最新のデザインではないものの、入手可能なノートPCのなかで、依然として最も優れた製品の1つであると言えるだろう。