電話中、手が届く範囲にメモと鉛筆をおきたいように、PC作業中も一瞬で手の届く範囲に欲しいアプリケーションがある。今回のTigerから搭載されたもうひとつの目玉機能であるDashboardは、特定のキーを押したり、マウスを画面の四隅にもっていくと、一瞬にして、Widget(Window Gagdet)と呼ばれるミニアプリケーション群にアクセスする環境を提供してくれる。電話台をDashboardと例えるなら、Widgetはさしずめメモや、鉛筆といったところだろうか。標準で付属しているWidgetは、カレンダー、電卓、天気、iTunesの操作パネルなどだが、それ以外にもWebからダウンロードすることにより、自分の好きなWidgetを簡単に追加することができる。
| |
|
標準で付属してくるWidgetは正直なところ米国産のもので英語表示だし、翻訳Widgetは不具合で翻訳ができなかったりと、とてもほめられたものではない。だが、アップルのサイト(米国、日本)に公開されている有志ユーザーが作成したWidgetをご覧いただきたい。まさに百花繚乱状態だが、さらにここに掲載されている以外にも多数のWidgetが世界中の有志のサイトで続々と公開されている。
発売後わずか2ヵ月あまりで、これだけのWidgetが公開されているのにはワケがある。WidgetはHTMLやCSS、Javascriptといった多くの人が簡単に使うことができるWebテクノロジーだけで簡単に作ることができるのだ。実際、筆者も試しにAppleのDeveloper情報をもとに、自宅近くを撮影するFM局のライブカメラの画面を表示するWidgetを作ってみた。アイコン画像を作ったりといったことに手間はかかったが、この間わずか20分。簡単なものとはいえ、コンパイラもなにも使わずに、これだけでデスクトップアプリができてしまうのはまさに驚愕だ。次々と新しいWidgetが公開されるのも納得である。
そういった意味で、Tigerの新機能Dashboardは「ホットキーやホットコーナーから一瞬でアクセスできること」「多様なWidgetを動かすための平易なインターフェイスの提供」という2点で高い評価ができる。標準で付属のWidgetは全く納得のいくものではないが、ユーザーコミュニティなどで「育てていく」ものとしては、ユーザーの創造力をうまく受容でき、かつ手軽に作ることができる「LEGO的なおもちゃ」をアップルからもらった感じがする。
また開発には興味の無い人でも、コミュニティによって日々公開されていくWidgetを眺めているだけでも楽しめるだろう。Mac OS Xを利用して以来、オンラインソフト情報に目を配るのが数年ぶりにとても楽しくなったが、Dashboardの登場でさらに“Widget探し”という楽しみも加わりそうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する