Appleの話題はMusic Storeのみならず。最新OS、MacOS X Tiger - (page 3)

五十嵐啓人(CNET Japan Staff)2005年08月05日 00時00分
Apple
内容:Intelチップの採用、そして本日の日本でのiTunes Music Storeのスタートなど、ハードウェアや新サービスの話題の尽きないアップル界隈であるが、それを横目で眺めつつ「ソフトウェアとしてのMac」の進化にこそAppleの真骨頂を感じている人も多いだろう。最新MacOS 10.4、「Tiger」の長期使用レビューをお伝えする。

汎用的なWebテクノロジーで簡単にアプリケーションが作れるDashboard

 電話中、手が届く範囲にメモと鉛筆をおきたいように、PC作業中も一瞬で手の届く範囲に欲しいアプリケーションがある。今回のTigerから搭載されたもうひとつの目玉機能であるDashboardは、特定のキーを押したり、マウスを画面の四隅にもっていくと、一瞬にして、Widget(Window Gagdet)と呼ばれるミニアプリケーション群にアクセスする環境を提供してくれる。電話台をDashboardと例えるなら、Widgetはさしずめメモや、鉛筆といったところだろうか。標準で付属しているWidgetは、カレンダー、電卓、天気、iTunesの操作パネルなどだが、それ以外にもWebからダウンロードすることにより、自分の好きなWidgetを簡単に追加することができる。

筆者のWidget環境。左上は標準のカレンダー。左中央は天気予報を表示する「空模様」、左下は最新の天気図が見られる、「Weather Chart」。続いて中央上が、「Google Maps Widget」、中央下は筆者作の、ライブカメラを1時間に一回更新するWidget。そして右上は、iTunesで再生中の曲の歌詞を表示する「TunesTEXT」。右下は現在のテレビ番組を表示する「Worse TV」を主に使っている。 (クリックすると拡大できます

OS 10.4.2からはWidgetの管理もできるようになった。

 標準で付属してくるWidgetは正直なところ米国産のもので英語表示だし、翻訳Widgetは不具合で翻訳ができなかったりと、とてもほめられたものではない。だが、アップルのサイト(米国日本)に公開されている有志ユーザーが作成したWidgetをご覧いただきたい。まさに百花繚乱状態だが、さらにここに掲載されている以外にも多数のWidgetが世界中の有志のサイトで続々と公開されている。

 発売後わずか2ヵ月あまりで、これだけのWidgetが公開されているのにはワケがある。WidgetはHTMLやCSS、Javascriptといった多くの人が簡単に使うことができるWebテクノロジーだけで簡単に作ることができるのだ。実際、筆者も試しにAppleのDeveloper情報をもとに、自宅近くを撮影するFM局のライブカメラの画面を表示するWidgetを作ってみた。アイコン画像を作ったりといったことに手間はかかったが、この間わずか20分。簡単なものとはいえ、コンパイラもなにも使わずに、これだけでデスクトップアプリができてしまうのはまさに驚愕だ。次々と新しいWidgetが公開されるのも納得である。

 そういった意味で、Tigerの新機能Dashboardは「ホットキーやホットコーナーから一瞬でアクセスできること」「多様なWidgetを動かすための平易なインターフェイスの提供」という2点で高い評価ができる。標準で付属のWidgetは全く納得のいくものではないが、ユーザーコミュニティなどで「育てていく」ものとしては、ユーザーの創造力をうまく受容でき、かつ手軽に作ることができる「LEGO的なおもちゃ」をアップルからもらった感じがする。

 また開発には興味の無い人でも、コミュニティによって日々公開されていくWidgetを眺めているだけでも楽しめるだろう。Mac OS Xを利用して以来、オンラインソフト情報に目を配るのが数年ぶりにとても楽しくなったが、Dashboardの登場でさらに“Widget探し”という楽しみも加わりそうだ。

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