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私事で恐縮だが、一昨年発売したiBookG4を購入して以来のMacユーザーのため、実はMacユーザーとしての歴史は浅い。ノートPCをWindowsからスイッチしたワケは、数年間身近にいたMacユーザーのエバンジェリストたちに啓蒙されたというのも大きいが、先代OS X 10.3で搭載された一発で画面中のWindowを一覧できるexposeの機能に心引かれたためだった。日ごろ仕事場のデスクが汚いのと同様、OSのデスクトップには画面いっぱいにアイコンやファイルが並び、開いたウィンドウは本当に邪魔になるまで閉じられることはないという体たらくな筆者にとって、大量に開いたウィンドを一瞬で一覧できるだけでなく、デスクトップにも即時にアクセスできるexposeの機能は革命的だった。それゆえちょうど所持していたノートPCが故障した際に、次の「電子文房具」としてMacをチョイスし、それ以来つねに持ち歩く電子文房具として愛用している。
だが、人間何かに満足すると、新たな欲望を抱いてしまう。exposeによって大量のウィンドウの操作と、デスクトップへのアクセスが大幅に向上した結果、デスクトップ以下の深層のファイルへどのようにアクセスすればいいのかという不満を感じるに至った。やはり文房具として使うからには、PCの中に溜め込んでいる資料もexposeのような快適さで使い回したくなるものなのだ。
Tigerでは、昨今トレンドのデスクトップ検索がOSレベルで初めて提供された。「うまくいけばディレクトリをまさぐり、ファイルをみつけるという管理方法以外に出会えるかも」という淡い期待を抱いての導入だ。
今回のTigerの新機能のうちもっとも革新的とされるのがこのSpotlightテクノロジーだ。一言でいうとファイル検索機能なのだが、今まで何分もかかっていたHDD内のファイル検索を一瞬で行い、しかもテキストデータやPDFファイル内のテキスト、デジカメ画像の機種やフラッシュの有無などの撮影情報などのデータも検索対象となっており、ファイルの種類に区別なくスーパーフラットに検索することができる。
すでにGoogle Desktopなどの競合も出現しているが、Spotlightはよりシステムに近いところで動作するという特徴を持つ。また、仕様も公開されており、他の対応アプリケーションからSpotlightの機能をアプリケーション内に組み込むこともできる。実際、Spotlightの機能を組み込んだTiger標準のメーラー「Mail」では、一瞬でお目当てのメールを検索できるようになった。また、ファイルエクスプローラーアプリケーションのFinderは、Spotlightテクノロジーを利用することで一瞬でファイル検索ができるだけでなく、ファイル検索条件を“スマートフォルダ”として保存することができる。このフォルダを開けば検索条件に対応したファイルが常に最新の検索結果で一瞬にして表示される。
例えば、Google Desktopでは検索条件にヒットしたファイル群を全てコピーしたり、削除したりといったことはできない。デスクトップ検索としては、Google Desktopより結果的に「後発」にはなったが、このようにSpotlightはより柔軟な使用方法が可能となっているのである。
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