「SoftBank SELECTION ケース＆キーボード for iPad」の使い心地

　「SoftBank SELECTION ケース＆キーボード for iPad」（実売価格9800円）は、iPad専用に設計されたキーボード一体型のケースだ。二つ折りになった内側にBluetoothキーボードが内蔵されていて、もう片面にiPadをセットすることにより、ノートPCに似たスタイルでiPadを利用できるという製品だ。

　ケースはレザー調で、マグネット付のバンドで閉じる構造。内側に取り付けるiPadは、合皮製の「受け」とゴムバンドで四隅を固定するようになっている。ケースを開き、背面のスタンドを立てることにより、ノートPCと同じスタイルで打鍵できるようになる。iPadは装着後も取り外しは自在だ。

　iPad2をセットした場合の厚みは実測で約3cmで、ノートPCと比較するとそこそこの厚みだが、本製品はケースを含んだ厚みであり、ノートPCは保護ケースが必要なことを考えると、本製品のほうが取り回しはよい。重さはケースが約315g、キーボード部が約250gなので、iPad/iPad2をセットした状態で約1.2kgと、MacBook Airの11インチモデルと13インチモデルのだいたい中間程度になる計算だ。

　キーボードはBluetoothで接続する。iPad側でBluetoothをオンにした状態で本製品の電源スイッチを入れると認識され、PINコードが表示されるので、キーボードから入力することですぐに使用可能になる。一般的なBluetoothキーボードをiPadで使用する場合、最初にSPP/HIDの各モードを切り替える時点で迷ったりと、説明書と首っ引きにならなくてはいけない場合があるが、本製品はiPad専用に設計されているので初心者でも迷いにくい。

　キーボードはパンタグラフ式の84キーで、配列はMacBook Proに近い。バックライトは装備しておらず、またアイソレーション構造のキーはキー同士の間隔が詰まっているため最初は隣のキーも一緒に押してしまいがちだが、しばらく使えば慣れで解消できるレベルだ。

　なによりうれしいのは、キーの盤面の印字と実際に入力される文字が完全に一致していること。汎用のBluetoothキーボードのように「押してみないと何が入力されるか分からない」といったことがないので、ストレスがたまらないのはありがたい。またiPad専用ということで、最上段にはホームボタンと同じ機能を持つ「ホーム」、オンスクリーンキーボードをオンオフする「キーボード」のほか、コピー＆ペースト関連やオーディオ関連のショートカットキーが用意されている。

　キーボードはフル充電した状態では40日持つとされている（1日8時間稼働するうちの25％をキーボード操作に割り当てた場合）。今回は詳細なバッテリ持続時間のテストは行なっていないが、2週間ほど使っていて追加の充電などはまったく気にする必要はなかった。かさばらず使い勝手のよい外付キーボードを探しているユーザ、着脱が容易で取り回しのよいケースを探しているユーザともにおすすめできる、完成度の高い製品だ。